最新記事

安全保障

トランプ政権の国防長官、日韓訪問で米の役割強調し信頼修復へ

2017年2月1日(水)15時20分

1月31日、マティス米国防長官(写真右)は今週の日韓訪問で、北朝鮮のミサイル開発や中国との関係を巡り懸念が高まる中、地域の安全保障に対する米国の責務を強調する見通しだ。就任後初の訪問で、トランプ政権の閣僚として初の外遊。30日、ヨルダン国王を歓迎するにあたり、国防総省の儀仗兵に挨拶する同長官(2017年 ロイター/Yuri Gripas)

マティス米国防長官は今週の日韓訪問で、北朝鮮のミサイル開発や中国との関係を巡り懸念が高まる中、地域の安全保障に対する米国の責務を強調する見通しだ。

就任後初の訪問で、トランプ政権の閣僚として初の外遊。

長官がイラクやアフガニスタンではなくアジアを最初の訪問先に選んだことについて米当局者は、日韓との関係やアジア地域の重要性を再確認する狙いがあると指摘する。

トランプ大統領は選挙戦で、アジアの同盟国との協力にかかる費用を疑問視する発言をしているほか、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱がアジア地域に動揺を与えたことから、マティス長官がアジア同盟国との関係の重要性を再確認することは重要な意味を持つとみられる。

米政権当局者は「安心させるメッセージだ」と指摘し、「トランプ氏が同盟に懐疑的で、アジア地域で伝統的に果たしてきたリーダーとしての役割から退くのではないかとの懸念を選挙期間中に抱いた全ての人へのメッセージだ」と述べた。

マティス長官は1日に米国を出発。韓国訪問後、3日に来日し、稲田朋美防衛相と会談する。

日本の防衛費は対国内総生産(GDP)比で1%程度にとどまり、中国を大きく下回っている。防衛省幹部は「中国の対艦ミサイルや戦闘機などの軍備増強ペースを考えると、自衛隊の能力には不安がある。米軍の人たちから、そう言われることがある」と語る。

[ワシントン/東京 1日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中