最新記事

ネット

ロボットはネット通販を支える配送センターに革命をもたらすか

2016年10月20日(木)06時00分
ケイト・ローレンス CATE LAWRENCE ReadWrite[日本版]編集部

 ReadWrite[日本版]編集部

 試着室から顧客管理にいたるまで、「ネット通販」はさまざまな点で小売業へ多くの問題を提起している。そして、その商品がオンラインストアに並ぶ以前の問題として、巨大な「倉庫」で商品を探し出し、梱包し、出荷するためのスタッフ探しがある。

 さて、物流経営者が考える「小売業界における問題TOP3」は、1)熟練した労働力の確保(58%)、2)顧客の注文への迅速な対応(56%)、3)配送コストの削減(56%)ということが、Deloitte(デロイト)とMHI(三菱重工)がおこなった調査により明らかになった。

 人より迅速、かつ、低コストで荷物のピッキングから出荷までおこなえるロボットの存在は、これら課題3つすべてに対する答えとなりうる。

 inVia Roboticsは、こういった変革をもたらそうとする企業の一つだ。彼らは、世界で初めて「ネット通販における商品取り扱い業務を担うロボットシステム」を作り上げた。同社のCEO リオール・エラザリー氏に、そのシステムについてさらに話を聞いた。

「近年、ネット通販はますます盛んになっているが、価格競争の激化、迅速な配達への期待、倉庫の人員不足といったことから、小売業界は顧客のニーズについていくために苦労している。何十年もの間、人が荷物をピッキングするモデルが支配的であったが、いまでは倉庫ロボットが、荷物をより早く安価に最終目的地に自動で送り届けることができる。ロボティクスは次のオートメーション革命であり、企業は競争力を維持でき、産業や経済にいい影響を与える」

 inViaは今回、『GrabIt』と『TransIt』という2種類のロボットを製作した。『GrabIt』は30ポンド、24インチ幅までのものを持ち上げることができ、扱える荷物の大きさもトランプ1つから24本入りソーダ1パックまで、とさまざまだ。このロボットは、アームを伸ばせば2.4メートル(8フィート)の高さまで届き、1回の充電で10時間稼動できる。GrabItが荷物をピックアップしたら、それを相方であるinViaの2つ目のロボット『TransIt』に手渡す。これはオーダーを集めて回り、受け取った商品を箱詰めするロボットだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送米GDP、第1四半期+1.6%に鈍化 2年ぶり

ビジネス

ロイターネクスト:為替介入はまれな状況でのみ容認=

ビジネス

ECB、適時かつ小幅な利下げ必要=イタリア中銀総裁

ビジネス

トヨタ、米インディアナ工場に14億ドル投資 EV生
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中