最新記事

イタリア

伊でリベンジポルノの被害者自殺、レイプ拡散など相次ぐネットの性暴力

2016年9月18日(日)01時35分
ジョシュ・ロウ

GeorgePeters-iStock.

<イタリアでネット上の性暴力が相次ぎ、文化までもが問い直されている>

 イタリア警察は今、ソーシャルメディアで拡散されていたレイプと思われる動画を捜査している。英紙ザ・タイムズによると、アドリア海沿岸の都市リミニの警察が、ナイトクラブのトイレでスマートフォンで撮影されたとみられる動画を調べている。被害者は17歳の少女だという。動画はメッセージアプリのWhatsAppで広がり、被害者が警察に駆け込むまでに50人ほどが見た。

 先週は、リベンジポルノの被害者が自殺する事件もあった。ナポリの女性ティツィアナ・カントーネは、火曜に遺体で見つかった。セックス中のビデオをウェブに上げられ、百万回もシェアされた。ビデオの中で彼女が言った言葉「録画してるの?ブラボー!」は嘲笑交じりの合言葉としてユーザーに広がり、Tシャツまで作られた。

 2つの事件はイタリアに、性暴力とネットに対する規制や文化の問題を突き付けている。「女性に対する性暴力は文化に深く根差した現象だ」と、上院議員のステファニア・ペッツォパーネはレイプ事件について語った。

 ナポリの検察は、リベンジポルノの被害者を「自殺に追いやった」容疑で調べを進めている。エレナ・センテメロ下院議員はこう言った。「こうした憎悪と暴力と戦うには、イタリアには新しい政策が必要だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米3月新築住宅販売、8.8%増の69万3000戸 

ビジネス

円が対ユーロで16年ぶり安値、対ドルでも介入ライン

ワールド

米国は強力な加盟国、大統領選の結果問わず=NATO

ビジネス

米総合PMI、4月は50.9に低下=S&Pグローバ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親会社HYBEが監査、ミン・ヒジン代表の辞任を要求

  • 4

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 5

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    ロシア、NATOとの大規模紛争に備えてフィンランド国…

  • 9

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 8

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中