最新記事

人種問題

アメリカ抗議デモ排除の警官隊に向き合う黒人女性、静かな抗議に大反響

2016年7月14日(木)19時02分

7月11日、暴徒鎮圧用の黒い防護パッドとヘルメットで重武装した警官2人が道路から排除しようと駆け寄るなか、風に揺れる長いドレスを着た黒人女性が路上に静かに立ち、無言の抗議を行っている。写真は警察官の前に立ちふさがるイエシア・エバンスさん(35)。米ルイジアナ州バトンルージュで9日撮影(2016年 ロイター/Jonathan Bachman)

 暴徒鎮圧用の黒い防護パッドとヘルメットで重武装した警官2人が道路から排除しようと駆け寄るなか、風に揺れる長いドレスを着た黒人女性が路上に静かに立ち、無言の抗議を行っている。

 この様子を収めた写真は、米ルイジアナ州のバトンルージュで9日撮影された。この週末、バトンルージュでは約180人が警察によって拘束された。多くが白人警官による黒人射殺に抗議するデモに参加しており、幹線道路で交通妨害をしたとして軽犯罪法に問われている。

 ロイターの契約カメラマン、ジョナサン・バックマンが撮影した、この黒人女性、イエシア・エバンスさん(35)の写真は、黒人射殺事件を、警察の少数派に対する不当な扱いと非難し、過去1週間に全米で起こった抗議デモに参加した人々の気持ちを一部織り込むものだ。

「この象徴的な写真は、#BatonRougeや類似する(ハッシュタグ)上で、生涯目にすることになるだろう」。デビッド・ローと名乗る男性は11日、ツイッターにこう投稿した。

 ソーシャルメディア上で世界各地からのコメントを集めたこの写真について、アトランティック誌は「バトンルージュからの忘れがたい1枚の写真」と表現。ワシントン・ポスト紙は「米国にとっての重大な瞬間をとらえた」と説明し、英デイリー・メール紙も「象徴的な逮捕写真」と述べている。

 ネット上の記録や彼女のものとみられるフェイスブックページによると、エバンスさんは、ペンシルバニア州に住む准看護師だ。

「これは神の業」とエバンスさんは逮捕後、フェイスブックに書き込んでいる。「私は船だ。いと高きところには神に栄光あれ。自分が無事生きていることを嬉しく思う」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

貿易戦争の長期化、カナダ経済と金融安定性への脅威=

ビジネス

米タペストリー、業績予想を上方修正 主力「コーチ」

ビジネス

米労働生産性、第1四半期速報値は0.8%低下 約3

ワールド

新ローマ教皇にプレボスト枢機卿、初の米国出身 「レ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 6
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 7
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 8
    日本の「治安神話」崩壊...犯罪増加と「生き甲斐」ブ…
  • 9
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 10
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中