最新記事

アメリカ社会

ミレ二アル世代は過去、アメリカ企業はジェネレーションZに照準

2020年に労働人口の4割を占めるネットネイティブなZ世代はスピードを重視

2016年5月29日(日)12時06分

5月25日、米企業が、高校生以下の年齢層である「ジェネレーションZ(Z世代)」に照準に定め始めた。こうした企業はまだ数少ないが、増加しつつある。写真は卒業ダンスパーティー用のドレスを選ぶ高校生。ロサンゼルスで2014年3月撮影(2006年 ロイター/Kevork Djansezian)

 米企業が、高校生以下の年齢層である「ジェネレーションZ(Z世代)」に照準に定め始めた。こうした企業はまだ数少ないが、増加しつつある。

 米国のZ世代の人口は6900万人。ピュー・リサーチの推計によると2020年には米労働人口の40%を占め、いずれは「ミレニアル世代」(7540万人)や「ベビーブーマー」(7490万人)を抜く。このため米企業では幅広い業種で、Z世代にアピールするための長期的な取り組みについて投資家に説明する動きが広がっている。

 チェース・グロース・ファンド(運用資産8400万ドル)のポートフォリオマネジャー、ピーター・タズ氏は「新規顧客の獲得はサバイバルの問題だ。今18歳の年齢層はわずか10年後には就職して貯蓄し、401Kプラン(確定拠出年金)の計算をするようになる」と話す。10代の年齢層でオンラインショップの利用が増えているため、タズ氏は店舗型の小売業者を敬遠している。

 ゲルスタイン・フィッシャー・マルチファクター・グロース・エクイティ・ファンドのポートフォリオマネジャー、グレッグ・フィッシャー氏はグーグルの親会社であるアルファベットやアップルの株を買っている。13歳の息子を持つフィッシャー氏は、両社がこれからもZ世代に適応し、魅力を保ち続けるとみている。

「1990年代初頭に中国に目を付けた投資家のようなものだ。ある程度リスクを取り、将来に賭ける気概のある企業にとって大きなチャンスが広がっている」という。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国財政、もはや格付けの強みではない 債務増抑制を

ワールド

米最高裁、トランプ氏免責巡り一定範囲の適用に理解 

ワールド

岸田首相、5月1─6日に仏・南米を歴訪

ワールド

原油先物上昇、イエレン財務長官発言で米経済巡る懸念
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中