最新記事

医療

サンダース上院議員ら米議員団、抗がん剤のコスト削減要求

前立腺がん治療薬を手ごろな価格で入手できるよう特許無効の検討を求める

2016年3月29日(火)17時45分

3月28日、米大統領選で民主党の候補指名獲得を目指すサンダース上院議員(写真)らが名を連ねる議員団は、国立衛生研究所と厚生省に対し、アステラス製薬の前立腺がん治療薬などのコスト削減に乗り出すよう求めている。24日撮影(2016年 ロイター/Michael Lopez)

 米大統領選で民主党の候補指名獲得を目指すバーニー・サンダース上院議員らが名を連ねる議員団は、国立衛生研究所(NIH)と厚生省に対し、米メディベーションとアステラス製薬<4503.T>の前立腺がん治療薬「XTANDI(エンザルタミド)」についてコスト削減に乗り出すよう求めている。

 サンダース氏のほか、ロイド・ドゲット下院議員(民主、テキサス州)、ピーター・ウェルチ下院議員(民主、バーモント州)らが署名した書簡によると、議員団はNIHに対し、同薬を低価格で手に入れられるようにするため、特許の無効を検討する公聴会を開催するよう求めた。

 書簡によると、米国における同薬の卸売価格は平均で12万9000ドル超となっているものの、日本とスウェーデンでは3万9000ドル、カナダでは3万ドルで販売されている。

 議員団は「米国民が医薬品開発に至った研究に資金を提供しており、手頃な価格で入手できるようにすべき」とした。

 メディベーションからは今のところコメントを得られていない。

 NIHと厚生省からも今のところコメントを得られていない。

 アステラスの広報担当者は、民間保険でカバーされている人のうち、81%は2015年の毎月の医薬品自己負担が25ドル以下で、メディケア(高齢者向け公的医療保険)でカバーされている人については、79%の人の自己負担はゼロだった、と指摘。その上で、保険に未加入、もしくは十分に入っていない人で、家計の年間調整後収入が10万ドル以下の場合については、エンザルタミドを無償で提供すると述べた。

 さらに、2015年にエンザルタミドで治療を受けた2万人のうち、2000人以上は無償で同薬を投与された、と明らかにした。

  

[28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ダライ・ラマ「130歳以上生きたい」、90歳誕生日

ワールド

米テキサス州洪水の死者43人に、子ども15人犠牲 

ワールド

マスク氏、「アメリカ党」結成と投稿 中間選挙にらみ

ビジネス

アングル:プラダ「炎上」が商機に、インドの伝統的サ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 8
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中