最新記事

M&A

シャープに数千億円の偶発債務が判明、鴻海買収調印保留

「数千億円」にのぼる偶発債務が明るみになりシャープ買収交渉は暗礁に

2016年2月26日(金)11時01分

2月25日、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業はシャープの買収計画について、これまでに明らかにされていなかった偶発債務の存在が判明したことで、買収契約の調印を保留したことが複数の関係筋の話で明らかになった。写真は同日、東京で(2016年 ロイター/Yuya Shino)

 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>はシャープ<6753.T>の買収計画について、これまでに明らかにされていなかった偶発債務の存在が判明したことで、買収契約の調印を保留した。複数の関係筋が25日、明らかにした。

 成立すれば日本の大手電機メーカーが外国資本の傘下に入る初めてのケースとなるが、先行きは不透明になってきた。

 関係筋の1人は、シャープが精密に送った詳細文書でシャープの偶発債務は「数千億円」に上ることが判明したとしている。最終的に合意する前にこの件をめぐる解決が必要としている。

 ただ、債務の具体的な内容や額については明らかにしなかった。ロイターは同文書を確認していない。

 鴻海、シャープはこの件に関するコメントを控えた。

 シャープはこの日に開いた臨時取締役会で鴻海による買収案の受け入れを全会一致で決定。ただ鴻海はその数時間後に発表した声明で、シャープが24日朝、鴻海の経営陣に「新しい重要な書類」を送付したとし、正式な買収契約の締結前にその内容を精査する必要があることを同日中にシャープ側に伝えたことを明らかにしていた。

 

[台北/東京  25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:トランプ陣営、激戦州勝利へ賭けの戦略 照準は

ワールド

トランプ氏、移民強制送還を表明 オハイオの「ペット

ビジネス

米国株式市場=続伸、FRB大幅利下げ期待で小型株が

ビジネス

USスチール買収審査、23日が期限 90日延期も可
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    クルスク州「重要な補給路」がHIMARSのターゲットに.…
  • 7
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 8
    キャサリン妃、化学療法終了も「まだ完全復帰はない…
  • 9
    ロック界のカリスマ、フランク・ザッパの娘が語る「…
  • 10
    33店舗が閉店、100店舗を割るヨーカドーの真相...い…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 4
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 5
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 8
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 9
    アメリカの住宅がどんどん小さくなる謎
  • 10
    森に潜んだロシア部隊を発見、HIMARS精密攻撃で大爆…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中