最新記事

核開発

対イラン経済制裁、欧米が解除宣言

核開発の制限を履行したことを確認するIAEAの報告書を受けて

2016年1月18日(月)07時09分

1月16日、国際原子力機関(IAEA)の報告書を受けて、欧米諸国は、対イラン経済制裁の解除を宣言した。写真は解除宣言を行うオバマ米大統領。(2016年 ロイター/Carlos Barria)

 国際原子力機関(IAEA)は16日、イランが欧米など6カ国との最終合意に従い、核開発の制限を履行したことを確認する報告書を発表した。これを受けて、欧米諸国は、対イラン経済制裁の解除を宣言した。

 イランと6カ国は昨年、イランによる核開発活動の制限などを盛り込んだ最終合意に署名している。IAEAは今回、イランが核合意を履行したと判断。IAEAは「イランは(7月合意に)基づくすべての措置を履行し(制裁解除の)実行が可能になった」との声明を発表した。

 米国は、イランに科していた銀行業務や鉄鋼、海運に関する制裁を正式に解除。欧州連合(EU)も制裁解除に向けた手続きを開始した。

 これにより、多額のイラン資産が凍結解除となる。これまでイランでの活動を禁じられていた外国企業が参入を急ぐのは必至だ。一方、産油国のイランが市場に復帰することで、ただでさえ供給過剰の状態にある国際石油市場では、価格の下押し圧力が一段と強まる可能性がある。

 イラン当局は同日、米紙ワシントン・ポストのジェーソン・レザイアン記者など5人の米国人の釈放を発表した。米国との間で合意した、収監者の相互釈放の一環として行われたもので、オバマ米大統領も、対イラン経済制裁に違反するなどしたイラン系米国人3人などに恩赦を与えた。制裁解除と合わせ、米・イランの緊張緩和につながる見通しだ。

 

[ウィーン/ワシントン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独経済回復、来年は低調なスタートに=連銀

ビジネス

ニデック、永守氏が19日付で代表取締役を辞任 名誉

ビジネス

ドル157円台へ上昇、1カ月ぶり高値 円が広範にじ

ビジネス

仏ルノー、S&Pが格上げ 投資適格級に復帰
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中