最新記事

THE GLOBAL ECONOMY 2018

ビットコインに未来はない、主犯なき投資詐欺だ

2018年1月10日(水)12時39分
ルズベー・バチャ(シティーファルコンCEO)

ビットコイン投資がブームになり、ブロックチェーンのことなど理解していない人たちまで参入するようになれば、相場はどんどん上がる。だから市場に参入し始めた機関投資家やプロは、新参者を引き込むためにビットコイン投資は有望だと盛んに吹聴する。

さらに相場が上がれば、初期に投資した人たちはさっさとドルや円などの法定通貨に換えて、ビットコイン・コミュニティーから出て行くだろう。その結果、相場が下がれば、新参組に残されるのは価値のない仮想コインだけだ。これが金塊なら、値下がりしてもアクセサリーにできるだろうが、仮想コインではどうしようもない。

ビットコインには持続可能性や拡張性、情報セキュリティーなど、克服すべき課題が多々ある。しかも、こうした問題を解決した改良版の仮想通貨が次々に登場し、ビットコインは熾烈な競争にさらされている。

ビットコインに未来はない。ブロックチェーンには未来があるが、将来的に仮想通貨市場の覇者となるのはビットコインではない。今のところはまだコミュニティーの初期のメンバーが稼げる余地はあるが、これから入っていけば泣きを見る。ポンジ・スキームの破綻は時間の問題だ。

(筆者が創業したシティーファルコンはフィンテックを活用した投資情報を提供する英スタートアップ企業)

【参考記事】異次元緩和に4つの問い 中央銀行は今年「正念場」を迎える

※「THE GLOBAL ECONOMY 2018」特集号はこちらからお買い求めいただけます。


ニューズウィーク日本版のおすすめ記事をLINEでチェック!

linecampaign.png

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏への航空機贈呈、カタールが懸念一蹴

ワールド

援助トラック100台がガザ入りへ、国連がイスラエル

ビジネス

日銀が国債買い入れで意見聴取、一部メガバンクが減額

ビジネス

中国CATL、香港上場初日は16%高 景気懸念でも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:関税の歴史学
特集:関税の歴史学
2025年5月27日号(5/20発売)

アメリカ史が語る「関税と恐慌」の連鎖反応。歴史の教訓にトランプと世界が学ぶとき

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    【クイズ】世界で1番「太陽光発電」を導入している国は?
  • 4
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 5
    【裏切りの結婚式前夜】ハワイにひとりで飛んだ花嫁.…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    実は別種だった...ユカタンで見つかった「新種ワニ」…
  • 8
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 9
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 10
    日本人女性の「更年期症状」が軽いのはなぜか?...専…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 4
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 5
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 6
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 7
    「運動音痴の夫」を笑う面白動画のはずが...映像内に…
  • 8
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    コストコが「あの商品」に販売制限...消費者が殺到し…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 5
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 8
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中