最新記事
エネルギー

水素事業への投資が倍増...国際エネルギー機関(IEA)

2024年10月3日(木)13時20分
IEA

10月2日、国際エネルギー機関(IEA)が公表した報告書によれば、直近12カ月で水素関連事業への投資決定が倍増した。写真はIEAのロゴ。フランスのパリで昨年12月撮影(2024 ロイター/Sarah Meyssonnier)

国際エネルギー機関(IEA)が2日公表した報告書によれば、直近12カ月で水素関連事業への投資決定が倍増した。ただ、業界が不確実性に直面する中で、施設の処理能力や需要は低水準にとどまっている。

投資決定の結果、水素生産は2030年までに現在の5倍に増える。直近12カ月の投資決定は、中国がその40%超を占めた。半面、需要目標は生産計画のわずか25%超にとどまる。IEAは、これまでの水素部門の進展が気候変動対策の目標達成に十分ではないとの見方を示した。


 

また、大半の事業は初期段階にあり、需要の不透明さや資金調達の難しさ、当局による規制の不明確さなどが、事業計画のリスクになっている。

IEAのビロル事務局長は「政策立案者や開発事業者は、需要創出の支援を行うとともに、コスト減や規制の明確化を目指すべきだ。それがこの部門のさらなる投資拡大につながる」と強調した。

世界的な水素需要は、精製・化学部門を中心に、今年は約300万トンの増加が予想される。ただ、IEAによれば、これは政策が成功した結果というよりは、経済的なトレンドの結果だという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20241119issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年11月19日号(11月12日発売)は「またトラ」特集。なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか。[PLUS]大谷翔平 ドジャース優勝への軌跡

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

政治・経済の安定化進む南ア、投資適格級獲得は当面困

ビジネス

中国の粗鋼生産、10月は前月比+6.2% 5カ月ぶ

ビジネス

午前のドルは一時156.76円まで上昇、4カ月ぶり

ビジネス

米の私募ファンド巡る規制、業界団体が次期政権に見直
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 5
    NewJeansメンバー全員が事務所に最後通告「ミン・ヒジ…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 10
    新たな大谷翔平伝説が始まる...「ますますリスペクト…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫フ…
  • 5
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 10
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 8
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 9
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 10
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中