最新記事

フィギュアスケート

フィギュアファン歴30年の作家も驚く「羽生結弦が見せた神対応」

2022年12月2日(金)07時59分
茜灯里(作家、科学ジャーナリスト)
羽生結弦

「ニューズウィーク日本版『羽生結弦特集』の執筆依頼を受けていたので、記事を意識しながら北京五輪のフリーを画面越しにライブで見ました。リアルタイムでは回りきったように見えた4回転アクセルと、演技を終えた直後に天を仰いだ神々しい表情が印象的でした」(茜氏談)『羽生結弦 アマチュア時代 全記録』302頁より ©時事


「演技で自分の生き様を見せて、力をくれたファンに恩返しをする」30年来のフィギュアファンが見る、羽生結弦のファンとの絆と「プロローグ」


羽生結弦選手のプロアスリートとして最初の単独ショー「プロローグ」は、盛況のうちに横浜公演の幕を閉じ、今週末からの(12月2、3、5日)八戸公演が心待ちにされている。

11月5日、私は横浜の映画館に足を運んだ。「プロローグ」のライブビューイングに参加するためだ。

羽生選手の演技は、数々の世界選手権や連覇したソチ五輪、平昌五輪など、主だったものは必ず現地観戦してきたので、横浜公演のチケット落選は心底残念だった。けれど、歴代最高のフィギュアスケート・スターの"プロのアスリート"として初の演技が、どれだけファンに求められているのかをあらためて知って、嬉しい気持ちになった。

映画館では開演前の説明が始まった。公演中は、拍手や応援グッズを用いても良いとアナウンスされる。それを合図にしてブルーの輪がいくつか光った。後に、それが前日の公演で配られたバングルと知った。

1人だけのショーを、1時間半。映像を交えるとはいえ、体力には限界がある。ショーでも1つ1つの演技に渾身の力を込めてファンに伝えようとする羽生選手ならなおさらだ。

「ユヅなら絶対に魅せてくれる」というファンの期待は、時にはプレッシャーにもなるだろう。それでも、自分とファンに真摯に向き合って、等身大で最高の羽生結弦を見せてくれるに違いない。

アマチュア選手の最終シーズンに使った「天と地と」の曲を流しながらの6分間練習から始まるという予想外の演出で、公演は幕を開けた。周囲の観客は呼吸を合わせたように、ジャンプを飛ぶたびに拍手し、スケーティングに嘆息する。

最初の演技「SEIMEI」が始まると、私は陰陽師の神秘的な世界観にふさわしい、紫の壁に囲まれた平昌五輪のリンクを思い出した。あの時も、会場の全ての観客が羽生選手に釘付けになり、フィギュア男子で66年ぶりの五輪連覇の偉業を達成する演技を見守った。

「なぜ、もっとユヅの演技を見に来ないの?」

私のフィギュアスケートファン歴は30年を超える。とりわけ男子シングルが好きだ。きっかけはNHK杯の過去演技の特集で見た五十嵐文男選手で、ノーブルな王子様タイプの日本人選手が世界のトップで戦う姿に夢中になった。


 『羽生結弦 アマチュア時代 全記録
 CCCメディアハウス[編]

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米テロ対策トップ辞任、イラン戦争支持できず 「切迫

ワールド

トランプ氏、NATO消極姿勢を非難 イラン作戦巡り

ワールド

イラン交戦で新たに4500万人が飢餓の恐れ、WFP

ワールド

仏、敵対行為中は不参加 ホルムズ海峡護衛任務=大統
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 3
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    「危険な距離まで...」豪ヘリに中国海軍ヘリが異常接…
  • 6
    「目のやり場に困る...」グウィネス・パルトロウの「…
  • 7
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    生徒がいない間に...中学教師、教室でしていた「気持…
  • 10
    戦争反対から一変...湾岸諸国が望む「イランの脅威」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 6
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 7
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 8
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中