最新記事

エンターテインメント

最底辺「地下アイドル」が見た厳しい現実 松山あおいが下剋上を成功させた秘訣とは

2022年11月20日(日)11時00分
松原大輔(編集者・ライター) *東洋経済オンラインからの転載
注目のアイドル松山あおいさん

今、大注目のアイドル松山あおいさん、29歳。彼女のアイドル人生を読み解くと「大事なもの」が見えてきた(写真:松山あおいさん提供)

今話題の松山あおいの存在をご存じだろうか。群雄割拠を極めるアイドル界において、「地下アイドルの最底辺」から、世界最大のアイドルフェスティバル「TIF2022」(TOKYO IDOL FESTIVAL 2022)まで上り詰めたソロアイドルだ。
メジャーな事務所にいるわけでもなければ、大きなグループに在籍したこともない、完全な「セルフプロデュースアイドル」。地下から這い上がり、大下剋上を成し遂げた正真正銘の「泥臭いシンデレラガール」なのである。
どうやってそんな「大逆転」を成し遂げたのか。デビューから9年、彼女の軌跡を追うことで見えてきたのは「自ら作り、継続すること」の重要性だった。

スカウトから始まったアイドル人生

松山あおい、29歳、職業「クリエイティブうたのおねえさん」。言うなれば「地下アイドル」だ。

松山曰く「肩書はアイドルでもシンガーでもなんでもいいです。私はみんなを歌で楽しませるのが一番なので」と割り切っている。

幼いころからアニソンが大好きで、当然のように「アニソンシンガー」を目指すことになる。高校在学中から数多くのオーディションを受けてきたが、思うように結果が出なかった。

高校卒業後も、「つい最近までしていた」というゲームセンターのアルバイトをしながら、オーディションに挑み続けたが、ダメだった。

焦りと苛立ちが募る中で偶然、街角でスカウトに声をかけられたのが、良くも悪くも松山あおいのアイドル人生のスタートとなったのである。

「夢にまで見たアニソンシンガーになれる!」そんな思いは一瞬のうちに砕け散った。

松山が最初に立ったステージは、「アニソンシンガー」とは名ばかり、カバー曲をイベントスペースで歌う、まさに「地下アイドル」でも底辺のステージだった。

「それまでアイドルのライブはまったく見たことがなかったんです。初めてのライブが秋葉原の小さなイベントスペースだったんですけど、出演者のほうがお客さんよりも多くて、まずそれに驚きました

「地下アイドル」のライブシーンでは、往々にしてこのような「出演者のほうがお客さんより多い」現場に遭遇する。

「厳しい現実」と言ってしまえばそれまでだが、やはりステージに立つ側は、やりきれなさはあるだろう。

「ライブが始まったら『タイガー!ファイヤー!......』ってお客さんが叫んでいて、それにもほんとびっくりして。そのときのことはよく覚えています」

「タイガー!ファイヤー!......」とは、「MIX(ミックス)」と呼ばれる独特な掛け声だ。スタンダードなものから、独自のものまで、現場により数多の「MIX」が存在し、ファンは昂った「推し」への気持ちを「MIXを打つ」と表現する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに新たな攻撃、「米と交渉せず」と

ビジネス

一部の中東石油・燃料価格評価を停止、イラン紛争受け

ビジネス

中東情勢の悪化、利上げ継続方針に変化はない=氷見野

ビジネス

英中銀次期副総裁にバークレイ幹部起用、元規制当局の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報復攻撃、民間インフラも対象に
  • 4
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    「本当にテイラー?」「メイクの力が大きい...」テイ…
  • 7
    【銘柄】「三菱重工業」の株価上昇はどこまで続く...…
  • 8
    「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応
  • 9
    【銘柄】「ファナック」は新時代の主役か...フィジカ…
  • 10
    米・イスラエルの「イラン攻撃」受け、航空各社が中…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 5
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 10
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中