最新記事
日本社会

転職すべき「隠れた優良企業」を見つけるコツは? 実は国が公開していた

2023年3月27日(月)17時30分
佐野創太(企業顧問、「退職学」の研究家) *PRESIDENT Onlineからの転載
企業面接で自己アピールをする女性

*写真はイメージです aijiro - shutterstock


働きやすい優良企業に転職するには、どうすればいいのか。「退職学」の研究家の佐野創太さんは「優良企業は、大手企業と比べると地味なことも多く、求人サイトで見つけにくい。探し方のコツを知るだけで、ライバルを一歩も二歩もリードできる」という――。

※本稿は、佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

経産省が「隠れた優良企業」を公表している

「モンスター企業に入りたくない」と話す相談者さんが、次のような本音を教えてくれました。

穏やかに働きたい。顧客を騙したくない。社員同士で足を引っ張り合いたくない。

悲しい現実ですが、会社の業績が良くないと、職場がギスギスする、嘘をついてでも利益をあげる、同僚を出し抜いてでも顧客を奪う――こんなことが起こりやすくなります。「もう、疲れた」「これ以上、自分を嫌いになりたくない」と切実な声をあげる転職相談者は多いのです。

当たり前のことを当たり前に大切にできる企業に転職したい。でも、どうすれば見つかるのか。

モンスター企業の避け方では厚労省を頼りましたが、今度は経産省の力を借りましょう。「隠れた優良企業」が見つかります。

経産省は平成26年、令和2年に「グローバルニッチトップ企業100選(GNT企業100選)」を公表しています。

「ニッチ」とは、参入している企業が少ない隙間産業という意味です。なかでも、グローバルニッチトップ企業は、このニッチ分野で「高い世界シェアを有し、優れた経営を行っている中堅・中小企業」を指します。

グローバルニッチトップ企業には余裕がある

この企業100選には、「厳しい環境においてニッチ分野で勝ち抜いている企業」や「国際情勢の変化の中でサプライチェーン上の重要性を増している部素材等の事業を有する優良な企業」が載っています。株式投資の参考資料にしている人もいます。

グローバルニッチトップ企業には、たいてい次のような好循環があります。

自社にしか提供できない商品やサービスを持っている→他社は真似できないので商品やサービスの値段を上げられる→自分たちにしか生み出せない価値があるとわかっている社員は、自信を持って働く→その姿を見た会社は社員を信頼する→頑張る社員に報いるべく、経営陣は社員に還元する→努力を続ける社員の姿に、顧客の支持が集まる→さらに商品やサービスに磨きがかかり、唯一無二の地位が固まる。

つまり、余裕があるため、モンスター企業になりようがないのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 6
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 7
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中