最新記事

カタールW杯

W杯、ホテルは想定外のガラガラ状態 サッカーファンの足もと見たカタールにしっぺ返し

2022年11月28日(月)19時13分
ドーハのウォーターフロント・ホテル・アンド・アパートメンツ

サッカーワールドカップ(W杯)開催中のカタールで、宿泊施設の大幅な供給過剰という予想外の事態が起きている。写真はドーハのウォーターフロント・ホテル・アンド・アパートメンツ。23日撮影(2022年 ロイター/Andrew Mills)

サッカーワールドカップ(W杯)開催中のカタールで、宿泊施設の大幅な供給過剰という予想外の事態が起きている。25日からの週末を見ても、公式ポータルを検索すると少なくとも42のホテルで空室が見つかり、エアビーアンドビーにも利用可能な物件が何百件も表示されるほどだ。

大会前にはカタール政府関係者からカタール航空首脳、サポーターのグループまで、そろって宿泊場所が不足すると警鐘を鳴らし、主催者側が集合住宅やクルーズ船、果ては砂漠の中のキャンプ場まで余分に確保したにもかかわらず、現実は全くこれとかけ離れた状況になった。

ドーハの賃貸住宅オーナーらは、W杯期間を通じて120万人の観戦客がカタールを訪れるという見通しを聞いて相当な稼ぎが得られると期待に胸を躍らせたが、こうした供給過剰のために家賃は急落。その影響は今後カタールの不動産市場全体に及んでくる、と複数の不動産ブローカーは話す。

ロイターが取材した不動産ブローカーや宿泊施設運営業者、テナントなどは、一部の賃貸住宅オーナーが大会前に法外な賃貸料金を要求し、結果的に大量の空室が生まれたと指摘した。

多くの観戦客は割高なドーハでの宿泊を避け、ドバイなど近隣の都市から毎日最大500便運航されている飛行機でカタールに入る方法を選んでいる。カタール航空トップによると、これらの旅客便も宿泊施設不足に備えて設けられたという。

そうした流れも影響し、ある不動産ブローカーは、10月初めに一晩1200ドルの価格が提示されていたドーハの集合住宅の一室(2ベッドルーム)が、大会が始まる1週間前には250ドルまで値下がりした、と明かした。

強気の値上げ

地元のホテルや賃貸住宅オーナーがいかに強気だったかを物語るのが、追加の料金請求。

大会開始1週間前にイタリアからやってきた団体客は、宿泊を予定していたホテルと旅行代理店の間で追加料金を巡って発生したトラブルに巻き込まれ、立ち往生した。代理店のクハヤ・グローバルはロイターに、独占契約を結んでいた7つのホテルに総額1000万ドル余りの料金を前払いした後、大会開始の2週間前に少なくとも計55万ドルを支払うようこれらのホテルから求められたと説明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン作戦、目標達成に時間 終わりなき戦争ではない

ワールド

イスラエル・UAE主要空港、限定的に再開へ 帰国支

ワールド

中東紛争激化で旅行関連株急落、過去3日で世界で40

ワールド

トランプ氏、イランとの戦争で「大きな波はまだ」=報
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 5
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 6
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 7
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 8
    【トランプ関税はまだ序章】新関税で得する国・損す…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中