最新記事

日本企業

ゾゾタウンが採寸ボディスーツ「ゾゾスーツ」に託す狙い

2017年11月29日(水)16時13分
真城愛弓(東洋経済記者)※東洋経済オンラインより転載

採寸用ボディスーツ「ゾゾスーツ」の無料配布を開始したスタートトゥデイ。前澤友作社長が自身の42歳の誕生日に合わせて詳細を発表した(写真:スタートトゥデイ)

「圧倒的な速度で世界中に配りまくり、体重計や体温計のように一家に一台の存在にする。世界中のお客様の体型を最も知り尽くした企業となり、データを元にひとりひとりにピッタリの服を提供する」

スタートトゥデイの前澤友作社長は自身の誕生日に当たる11月22日、自身のツイッターでこう宣言した。

ファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイのPB(プライベートブランド、自主企画商品)が、11月末にゾゾタウンで発売される。それに先立ち、体型を瞬時に採寸できるボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の無料配布の予約受付を開始した。

体のサイズを瞬時に測る

ゾゾスーツは、2016年6月に出資したニュージーランドのソフトセンサー開発企業と共同開発した。トップスとボトムスに分かれ、伸縮センサーを内蔵。ゾゾスーツを着用した状態でスマートフォンと通信接続すると、体のあらゆる箇所の寸法を瞬時に測ることができる。寸法データはゾゾタウンのアプリに保存され、自身のサイズを確認できるほか、ゾゾタウンで買い物する際にはサイズに合った商品が紹介されるようになる。

ゾゾタウンに会員登録をすれば予約可能で、1枚目は無料、2枚目以降の購入は3000円がかかる。11月末から順次配布する予定で、配布数の上限は設けていないという。

toyokeizai171129-2.jpg

「ゾゾスーツ」はニュージーランドのソフトセンサー開発企業と共同開発した(写真:スタートトゥデイ)

11月末から発売するスタートトゥデイのPBは「ZOZO(ゾゾ)」と名付けた。今回のゾゾスーツを活用し、購入者ひとりひとりのサイズに合わせた商品を展開するとみられる。具体的なラインナップはまだ明らかにされていないが、「誰もが1枚や2枚は持っているであろう、超ベーシックアイテム」(前澤社長)という。

その一方で、前澤社長は「もっとスタイリッシュに格好よく着こなしていただけるような商品を提供し、ファッションを好きだと思う人を増やしたい。サイズが合っていてフィットしている洋服は、シルエット的にもきれいに見える」と強調する。

ここまでフィット感を追求するのは、試着が出来ないファッションECで、「サイズ」の問題が最大の壁とされてきた点が大きい。ネットで購入した服を実際に着てみると、サイズが合わずに返品せざるを得ないケースは珍しくない。同じファッションECでも、アマゾンジャパンは、自宅で気軽に試着する感覚で購入できるよう、30日間は返品無料とするなどの対策を講じている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中