コラム

中国の特色ある観光公害......「強制消費」とは何なのか?

2025年01月21日(火)18時17分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

観光収入は地方政府の重要な財源

しかし、このような高額観光も地方政府のサポートがあってこそ。観光収入は地方政府の財源の1つなのである。地方政府こそが地元の法律だから、観光客を囲い込んで高額な入場料を要求することは当たり前。これは中国の特色ある「観光公害」といえるだろう。

日本は「リピート文化」の国だ。繰り返しの中で人と人、人と土地の信頼関係を構築し、その絆を綿々と続けていく。これは、常に目の前のことしか考えない中国の「使い捨て文化」とは全く違う。この文化を根本からなくさない限り、中国の観光公害はなくならないし、信頼ある社会も構築されない。


ポイント

強制消費
格安ツアーで集めた客に、高額な買い物やオプショナルツアーを迫る悪質な行為。雲南省を訪れた中国人旅行客が寝具店に閉じ込められ、マットレス購入を迫られたケースも。

張家界
湖南省北西部にある観光都市で、独特の石柱が立ち並ぶ武陵源が有名。珪岩でできた石柱のほとんどが高さ200メートル以上。山頂に穴の開いた「天門山」も名所として知られる。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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