<携帯基地局の「擬態」アンテナも、過去の遺物として消えゆく運命にあるのかもしれない>

ヤシの木やサボテン、教会の十字架、時計塔......アメリカ西部の各州で、携帯基地局のアンテナはさまざまな姿に「擬態」している。

シリコンバレー出身の写真家アネット・ルメイ・バークは、2000年代初め、樹木のように装飾された携帯基地局のアンテナを目にした。そのユーモラスな姿に興味をそそられ、各地の「擬態」アンテナの撮影を始め、最新写真集『Fauxliage』をまとめた。

おそらくは景観を損なわず、周囲の環境になじませるための「擬態」なのだろう。だが次第に、テクノロジーがひそかに環境を変えているような違和感を覚えたという。

「擬態」したアンテナを通じて、携帯端末からさまざまな個人情報が収集され、21世紀の巨大なハイテク産業が維持されていることもまた、皮肉な事実だ。

現代社会に不可欠な携帯通信網は、既に第5世代(5G)への移行が始まっている。携帯基地局のアンテナも、これまでより高性能になり、小型化が進むだろう。

公衆電話ボックスやニューススタンドのように、携帯基地局の「擬態」アンテナも、過去の遺物として消えゆく運命にあるのかもしれない。

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『3本のサボテン』アリゾナ州フェニックス(2016年)
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『バイソンのサイン』ワイオミングとコロラドの州境(2018年)
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『十字架』アリゾナ州メサ(2016年)
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『現状』カリフォルニア州バーストー(2019年)
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