コラム

マイナンバー歴44年の僕から一言

2015年10月09日(金)17時05分

 実際に悪用されたことが証明できるまでは新しい番号を発行してもらえない。こうした実態を受けて、Social Security Number(社会保障番号)をSocial Insecurity Number(社会不安番号)と呼ぶ人もいる。主に駄洒落好きなオヤジだけどね。

 日本でのマイナンバー制度導入の前に、先輩としていくつかの疑問を挙げたい。

 ・国民を管理するのには便利だが、管理している側を誰が管理するのか?
 ・番号一つでどこまで個人情報を引き出せるようになるのか?
 ・詐欺に遭った被害者はどう対処されるのか?
 ・そもそも詐欺防止対策はどうなっているのか?

 僕は、この最後の疑問が一番気になる。確かに日本のカードには希望すれば顔写真が載ったり、ICチップが埋め込んであったりして、ちょっとは進化している。だが、今のご時世、番号が書いてある紙一枚を持ち歩くようにするなんて! プライバシー保護のために、21世紀の技術をもっと使う手はなかったのかな? 暗証番号があってもいいかもしれないし、二次元バーコードやQRコードにできるかもしれない。スマートフォンの中に保管するようにしたらロックをかけることもできるかもしれない。

 そもそも「スーパーのレジに提出する」という話が出た時点で、マイナンバーの恐ろしさを理解していないと感じる。

 確かに世界に比べれば国民番号制度を導入するのが遅いけど、それはある意味チャンスだ。先輩がいる分、成功例や失敗例の資料がいっぱい揃っている。ちゃんと参考にしてほしい。

 世界に倣う前に、習うべきだ(僕も駄洒落好きなオヤジだね)。
 
 先輩からは以上です。

プロフィール

パックン(パトリック・ハーラン)

1970年11月14日生まれ。コロラド州出身。ハーバード大学を卒業したあと来日。1997年、吉田眞とパックンマックンを結成。日米コンビならではのネタで人気を博し、その後、情報番組「ジャスト」、「英語でしゃべらナイト」(NHK)で一躍有名に。「世界番付」(日本テレビ)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京)などにレギュラー出演。教育、情報番組などに出演中。2012年から東京工業大学非常勤講師に就任し「コミュニケーションと国際関係」を教えている。その講義をまとめた『ツカむ!話術』(角川新書)のほか、著書多数。近著に『大統領の演説』(角川新書)。

ニュース速報

ビジネス

日経平均は大幅続落、1万9000円割れ 1カ月ぶり

ワールド

メキシコで銃乱射、外国人含む5人死亡 音楽フェステ

ワールド

韓国への亡命待つ北朝鮮外交官はまだいる━元公使=聯

ビジネス

情報BOX:主要自動車メーカーのメキシコ生産

MAGAZINE

特集:トランプ・ワールドの希望なき幕開け

2017-1・24号(1/17発売)

ドナルド・トランプがついに米大統領就任へ──。「異次元の政治家」にできること、できないこと

人気ランキング

  • 1

    南シナ海の人工島封鎖で米中衝突が現実に?

  • 2

    北朝鮮が国家ぐるみで保険金詐欺、毎年数十億円を稼ぐ

  • 3

    トランプ大統領就任式ボイコット続出、仕掛け人のジョン・ルイスって誰?

  • 4

    トルコ航空貨物機、キルギスで墜落 少なくとも20人…

  • 5

    ベーシックインカム、フィンランドが試験導入。国家…

  • 6

    ナイジェリアを「金で買った」中国――「一つの中国」…

  • 7

    「南シナ海の人工島封鎖なら、米国は戦争覚悟すべき…

  • 8

    サイバー対策の責任者となるジュリアーニの、お粗末…

  • 9

    英メイ首相、EUの単一市場と関税同盟からの撤退表明へ

  • 10

    ダライ・ラマ制裁に苦しむ、モンゴルが切るインドカ…

  • 1

    オバマ米大統領の退任演説は「異例」だった

  • 2

    トランプ当選初会見でメディアを批判 ツイッターなどSNS大炎上

  • 3

    韓国ユン外交部長官「釜山の少女像は望ましくない」

  • 4

    「南シナ海の人工島封鎖なら、米国は戦争覚悟すべき…

  • 5

    トランプの娘婿クシュナーが大統領上級顧問になる悪夢

  • 6

    オバマ、バイデン副大統領に最後のサプライズで勲章…

  • 7

    ロシアのサイバー攻撃をようやく認めたトランプ

  • 8

    ダライ・ラマ制裁に苦しむ、モンゴルが切るインドカ…

  • 9

    南シナ海の人工島封鎖で米中衝突が現実に?

  • 10

    iPhoneはなぜ割れるのか?<iPhone 10周年>

  • 1

    オバマ米大統領の退任演説は「異例」だった

  • 2

    キャリー・フィッシャー死去、でも「2017年にまた会える」

  • 3

    オバマが報復表明、米大統領選でトランプを有利にした露サイバー攻撃

  • 4

    「知能が遺伝する」という事実に、私たちはどう向き…

  • 5

    トルコのロシア大使が射殺される。犯人は「アレッポ…

  • 6

    トランプ当選初会見でメディアを批判 ツイッターな…

  • 7

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 8

    日本の制裁措置に韓国反発 企画財政省「スワップ協…

  • 9

    韓国ユン外交部長官「釜山の少女像は望ましくない」

  • 10

    安倍首相の真珠湾訪問を中国が非難――「南京が先だろ…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

日本の観光がこれで変わる?
リクルート
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 臨時増刊

世界がわかる国際情勢入門

絶賛発売中!