アメリカ経済、2024年はどうなる? 安定成長の継続か、リスクの顕在化か
また、中小企業に対するサーベイでは、「人員が不足」と回答する企業はコロナ禍以前よりも依然多い。これは、労働集約なセクターを中心に、多くの企業は雇用確保を優先していることを示唆している。
昨年12月分の雇用者数は+21.6万人と事前予想を上回ったが、趨勢的には雇用者は月当たり約+15万人まで減速している。一方、先述したとおり人手不足が続く産業では雇用増が続く余地があり、雇用者数が減少に転じる可能性は低いとみられる。24年の雇用の調整がマイルドであれば、個人消費を中心に経済全体の調整も限定的にとどまる。
インフレ抑制と金融政策の転換
もう一つ米国経済を支える要因になりそうなのが、23年後半からインフレ抑制が鮮明になっていることである。インフレ抑制が進んだことで、昨年12月FOMC(連邦公開市場委員会)後にパウエル議長は、利下げを行う可能性について議論を始めたことを明らかにした。3月にも利下げを開始するという金融市場の思惑はやや早計と筆者は考えているが、金融政策は景気下振れの兆候が表れれば、迅速な政策対応が可能になる。
高インフレのままであれば、経済の下振れリスクがあっても、これに対して金融政策による対応が難しくなる。昨年まではそうした状況にあったが、2024年はFRBの政策対応を取り巻く環境が大きく変わりつつある。この点は、2024年の米経済の下振れリスクを大きく低減させるだろう。
2024年の米国経済:ソフトランディングの継続と株式市場への影響
これらを背景に、昨年に続いて、2024年も米国経済のソフトランディングが続くだろう。敢えて外れるリスクを指摘すれば、経済の失速ではなく、予想外に経済成長が高まるシナリオではないか。もっとも、株式市場では、米経済の安定成長はある程度織り込まれているので、2023年ほどの大幅な株高は難しいかもしれない。このため、株式投資のタイミングは難しいのだが、経済の安定成長が企業業績改善を後押しする構図は変わらないだろう。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
アマゾンに飛びます
2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
自民・維新連携で始動する高市政権に期待できる理由 2025.10.21
高市新総裁の「高い経済理解」と高市政権で起こる経済政策の大転換 2025.10.07
習近平政権が反「内巻き政策」を続けても、中国のデフレは続く 2025.09.24
石破首相退陣、次は誰か? 日本株のリターンが米国株を大きく上回る期待のシナリオ 2025.09.08
トランプ大統領のFRBへの政治圧力・利下げ要求は株式市場のリスクか? 2025.09.04
「必然だった」日経平均の最高値更新...なぜ出遅れたか、米国・日本の経済の今後は? 2025.08.14
-
プロダクトエンジニア「ポテンシャル採用/大手や外資系など3000社に導入/HR SaaS「ミキワメ」/web系SE・PG/東京都/港区虎ノ門
株式会社リーディングマーク
- 東京都
- 年収400万円~550万円
- 正社員
-
外資系企業の「労務スタッフ」土日祝休/フレックス/リモートOK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 月給30万円~45万8,000円
- 正社員
-
外資系企業の「労務スタッフ」土日祝休/フレックス/リモートOK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 月給30万円~45万8,000円
- 正社員
-
外資系企業の「労務スタッフ」土日祝休/フレックス/リモートOK
VISTRA Japan株式会社
- 東京都
- 月給30万円~45万8,000円
- 正社員






