コラム

日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング 2位は中国政府系グループ...奪われたデータの行方は?

2024年11月27日(水)18時47分

日本で最も活発に活動しているサイバー攻撃グループ

日本で最も活発に活動しているサイバー攻撃グループは、ラザルスと中国政府系サイバー攻撃グループの「MISSION2025(別名APT41)」、そしてロシアの複合サイバー犯罪組織「FIN7」や「FIN11」、「TA504」などが確認されている。

日本を標的にする「サイバー攻撃者」ランキング

日本を襲っている攻撃者たちのランキング

観測されたマルウェアの上位は、攻撃グループとの相関性が高い。MISSION2025と繋がりのあるマルウェア「Winnti」と「PlugX」や、ラザルスが使う「NukeSped RAT」と「Tofsee」、ランサムウェア攻撃を行うロシアのサイバー犯罪組織が使う「エモテット(Emotet)」。「Cobalt Strike」というマルウェアは非常に効果的なので誰もが使用している。もっとも、検出した合計331個のマルウェアのうち58個が未知の、いわゆるカスタムツールだった。

攻撃手法を見ると、Cyfirma社の高度遠隔測定システムでは、例えば、サイバー攻撃でよく使われるフィッシング(詐欺メールなど)のキャンペーンを過去6カ月は合計60万8999件検出している。このサンプル数によって、全体的な脅威の状況を十分に把握することができる。日本ではフィッシングメールなどの送信元として悪用されているのは、「物流・宅配便」、「金融」、「eコマース」が目立つ。宅配の偽メッセージなどがそれだ。

プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

台湾、スパイ容疑で中国人を拘束 現役・退役軍人を勧

ビジネス

UBSがスイス本拠で事業継続表明、米への移転協議と

ビジネス

香港の新世界発展、早期の債券交換で13億ドルの債務

ワールド

米大統領、ベネズエラへの地上部隊派遣「排除せず」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 3
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地「芦屋・六麓荘」でいま何が起こっているか
  • 4
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 7
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story