コラム

ウクライナ停戦交渉の代償...ゼレンスキー「とっておき」5000億ドル分のレアアースは平和をもたらすか

2025年02月13日(木)19時05分
トランプ大統領とゼレンスキー大統領

Shannon Stapleton-Reuters

<米トランプ大統領と露プーチン大統領が停戦交渉開始で合意。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は米政権による「圧力」に期待をかける>

[ロンドン発]ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は12日、キーウでスコット・ベッセント米国財務長官と会談した。トランプ政権高官が同国を訪れるのは初めて。

この日、ドナルド・トランプ大統領はウラジーミル・プーチン露大統領と電話会談し、全面侵攻から間もなく丸3年を迎えるウクライナ戦争の停戦交渉開始で合意した。詳細は明らかになっていない。

ゼレンスキー氏はベッセント氏との会談後、記者団に「鉱物資源について話し合った。私たちのチームは両国間の経済パートナーシップに関する最初の草案を受け取った。この文書に署名できるようあらゆることをするつもりだ」と語った。

ミュンヘン安全保障会議(14~16日)に合わせて文書の詳細を検討し、合意をまとめたいという。

ベッセント氏は「文書はウクライナに対する米国のさらなる保証の一部となり、米国とウクライナは経済協力を通じて共に立ち上がるというロシア指導部への重要なシグナルになる」と述べた。

「トランプ氏がプーチンに圧力をかけると確信している」

ゼレンスキー氏はトランプ政権と協力して「力による平和」アプローチを実施する準備は整っていると強調。「トランプ大統領がこの戦争を止めたいというメッセージを送ってくれたことに感謝する。彼は強力な指導者でプーチンに圧力をかけてくれると確信している」と述べた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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