コラム

従業員700人から訴えられた英国のマクドナルド...セクハラ・性的虐待が蔓延する「捕食者の楽園」の実態

2025年01月18日(土)20時34分
セクハラ蔓延で訴えられたイギリスのマクドナルド

ロンドンのピカデリーサーカスにあるマクドナルドの店舗 Mo Wu/Shutterstock

<17歳の女性従業員に性的関係を迫るマネジャーに、わいせつな画像を送りつける同僚。吐き気を催すような事例が次々と明らかに>

[ロンドン発]「現在(英国の)マクドナルドでは160件の虐待が英BBC放送に報告されている。平等人権委員会には300件の報告がある。マクドナルドの現・元従業員700人が法的措置を取っている。マクドナルドはプレデター(捕食者)の楽園になっているのか」

1月7日、英下院ビジネス貿易特別委員会でリアム・バーン委員長(労働党)は「被害者の1人は上司から不適切な扱いを受け、訴えたところ『いい加減にしろ』と言われたとBBCに証言している」とマクドナルド英国・アイルランドの経営陣を追及した。

「別の女性従業員は男性マネジャーが上半身裸の写真を送ってきたと証言している。また17歳の女性従業員はシフトを増やす見返りにシフトマネジャーからセックスを要求された。1年前あなたはこのような行為や行為者をビジネスから根絶すると誓ったが、改革に失敗した」

性器を見せ「赤ん坊を作りたい」と迫るマネジャー

2023年、BBCはマクドナルドの職場で常態化している性的虐待とハラスメントを独自に調査して撲滅キャンペーンを展開した。吐き気を催す事例が次々と報道された。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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