コラム

フォロワー2億人超...各国で「極右支持」を展開するイーロン・マスクの「破壊的な影響力」

2024年12月24日(火)18時02分
各国で極右政党を支持するイーロン・マスク

Brandon Bell-Reuters

<トランプ復活の立役者となったマスクは、独総選挙では「ドイツのための選択肢」を応援し、英国ではナイジェル・ファラージの「改革英国」を支持>

[ロンドン発]ドイツ東部マクデブルクで12月20日、車がクリスマスマーケットに突っ込み、5人が死亡、205人以上が負傷した。捜査当局はサウジアラビア出身で2016年に難民認定を受けた医師(50)を拘束した。新年2月の独総選挙で移民・難民問題が争点化するのは必至だ。

医師は「イスラム恐怖症」とみられ、「ドイツは世界中のサウジ出身の元イスラム教徒を狩る秘密作戦を行っている」などと支離滅裂な主張を展開していた。このため、捜査当局はサウジ難民へのドイツ政府の扱いに対する不満が影響しているのかどうかも含め動機を追及している。

移民規制の強化を唱える欧州連合(EU)の問題児ハンガリーのオルバン・ビクトル首相はブダペストでの年次記者会見で「欧州に流入する移民、特に不法移民とテロ行為との間に関連性があることはもはや疑いようがない」と移民に対するEUの開放政策を批判した。

「ショルツ独首相は即刻退陣すべき」とマスク氏

第2次トランプ政権で歳出削減や規制緩和を進める新設の助言機関「政府効率化省(DOGE=ドージ)」を率いる実業家イーロン・マスク氏は自らが所有するソーシャルメディア、X(旧ツイッター)に「無能で愚か者のオラフ・ショルツ独首相は即刻退陣すべきだ」と書き込んだ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日米首脳「USスチールは買収でなく投資」、米産LN

ワールド

アングル:16歳未満のSNS禁止する豪、ユーチュー

ワールド

北朝鮮、核兵器は「交渉材料ではない」=KCNA

ビジネス

米国株式市場=下落、貿易戦争巡る懸念で 精彩欠く雇
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国経済ピークアウト
特集:中国経済ピークアウト
2025年2月11日号(2/ 4発売)

AIやEVは輝き、バブル崩壊と需要減が影を落とす。中国「14億経済」の現在地と未来図を読む

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ドラマは是枝監督『阿修羅のごとく』で間違いない
  • 3
    「嫌な奴」イーロン・マスクがイギリスを救ったかも
  • 4
    研究者も驚いた「親のえこひいき」最新研究 兄弟姉…
  • 5
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 6
    賃貸住宅の「床」に注意? 怖すぎる「痕跡」を発見し…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    睡眠中に体内は大掃除されている...「寝ているあいだ…
  • 9
    なぜ「ファスティング」は「筋トレ」と同じなのか? …
  • 10
    駆逐艦から高出力レーザー兵器「ヘリオス」発射...ド…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 5
    「体が1日中だるい...」原因は食事にあり? エネルギ…
  • 6
    教職不人気で加速する「教員の学力低下」の深刻度
  • 7
    戦場に響き渡る叫び声...「尋問映像」で話題の北朝鮮…
  • 8
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 9
    Netflixが真面目に宣伝さえすれば...世界一の名作ド…
  • 10
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story