コラム

背に腹はかえられぬイギリス「忍び足」外交...外相「こっそり」中国訪問で、人権より経済優先の姿勢

2024年10月19日(土)14時23分
中国との関係を「こっそり」強化するイギリス外交

北京を訪問して中国の王毅外相と会談した英ラミー外相(10月18日) Florence Lo-Reuters

<英外相の訪中は6年間で2人目。スターマー首相は中国について「協力できるところは協力し、競争すべきところは競争し、挑戦すべきところは挑戦する」としているが>

[ロンドン発]英国のデービッド・ラミー外相が10月18日、2日間の日程で中国を訪れた。北京で王毅外相と会談し、ロシアのウクライナ侵攻から貿易、気候変動まで幅広く協議した。19日は上海で英国の実業家と対中ビジネスをいかに英国の成長につなげるかについて話し合う。

英外相の訪中はこの6年間で昨年のジェームズ・クレバリー外相(保守党)に続き2人目。デービッド・キャメロン首相(同)は2015年、英中黄金時代をぶち上げたが、国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利してキャメロン氏が退陣したのを機に英国は反中に大きく傾いた。

キア・スターマー首相(労働党)は総選挙のマニフェスト(政権公約)で「協力できるところは協力し、競争すべきところは競争し、挑戦すべきところは挑戦する。二国間関係の『監査』を通じ、中国がもたらす課題と機会を理解して、対応する英国の能力を向上させる」と明記した。

英外相「中国への関与は現実的だ」

「民主的価値を守る。英国に移住した香港コミュニティーのメンバーを支援していく」方針を打ち出したスターマー首相は香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏の釈放が英国政府の「優先事項」と強調した。しかし英国政府の本音は明らかに経済優先だ。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:米消費者、安価な中国製EVに興味津々 政府は

ビジネス

午前の日経平均は反発、朝高後に伸び悩み 不透明感を

ワールド

米国などからの原油輸入、日本到着は最短6月 石油連

ワールド

コロンビア軍輸送機が離陸直後に墜落、66人死亡・数
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 6
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 7
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 8
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story