コラム

日本経済の「異常」が終わる時、何が起きるか...所得増とビジネス活性化の一方、危機に陥るのは?

2025年03月20日(木)15時48分
日本の金利上昇でゼロ金利が終わる

DANAWAN PURBANGGORO/SHUTTERSTOCK

<金融「正常化」への姿勢を鮮明にする日銀に対して市場の警戒感も強まっているが、この流れをさらに強めようとしているのがドナルド・トランプ米大統領だ>

日本の長期金利が1.5%を超える状況となっている。困ったことに顕著に金利が上がり始めたのは、1月に実施された金融政策決定会合で日銀が政策金利の追加利上げを決めたことがきっかけとなっている。日銀としては正常化の方向性をより鮮明にした格好だが、市場はさらなる利上げを求めている状況だ。

長期金利は日本の物価上昇を受けて、2023年からジワジワと上がり続けてきたが、1%を超えて上昇するまでには至っていなかった。日銀は事実上、金融正常化に舵を切っているが、金利が急上昇すれば、住宅ローン支払額の増加や政府の利払い費負担など悪影響が懸念される。日銀としては適切なペースでの利上げが望ましいと考えていた。


長期金利が1.0%程度に収まっていれば、市場は引き続き、低金利が継続するとみていると解釈できるものの、恒常的に1.0%を超え、さらに1.5%を超えるとなると、そのような認識は通用しなくなる。この水準まで来ると、明確に金利が存在する通常の世界に戻ったと認識せざるを得ないだろう。

とりわけ影響が大きいのは日本政府の財政である。日本政府は1000兆円を超える負債を抱えているが、これまでは金利がほぼゼロだったことから政府は利払い負担について気にする必要がなかった。

プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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