コラム

日本独自の要因がもたらす「フードデザート」問題...「貧困対策」だけでは解決しない社会問題の深刻度

2024年01月24日(水)11時01分

地域拠点への人口集約で住民への影響を低減

人口が減っていく社会では、人が集まる地域にさらに人が集まってくるのが自然の摂理であり、これに逆らった政策を進めても効果を発揮しにくい。商圏維持が困難となる地域が今後も増加するのは確実である一方、その近くには一定の人口集約が進む地域が必ず存在しているはずだ。こうした拠点をうまく活用し、可能な限り近いエリアでの人口集約を進めることで住民への影響を低減できる。

政府はこれまでも「コンパクトシティ」の概念を掲げ、拠点集約を進める政策を立案してきたが、現実的な課題が多く、順調に進んでいるとは言い難かった。フードデザート問題はこの政策に本腰を入れるきっかけとすべきだろう。

意外に思うかもしれないが、日本は食の画一化が想像以上に進んでいる。欧米各国ではその場で調理された食品を食べる機会がまだ残されているが、日本の場合、ほとんどがチェーン店やコンビニ弁当に置き換わってしまった。フードデザートの解消には、多様性のある食を復活させる効果もある。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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