ニュース速報
ワールド

対米関税交渉、日本が世界のモデルに 適切な時期に訪米=石破首相

2025年04月20日(日)11時20分

石破茂首相は20日、NHKの日曜討論で、米国との関税交渉について、日本が世界のモデルになることを目指すと説明、一定の時間をかけて議論し、双方にとって望ましい結果を得られるよう取り組むと語った。写真は会見する石破首相。24年10月撮影。(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon/Pool)

Kentaro Sugiyama

[東京 20日 ロイター] - 石破茂首相は20日、NHKの日曜討論で、米国との関税交渉について、日本が世界のモデルになることを目指すと説明、時間的な制約がある中でも一定の時間をかけて議論し、双方にとって望ましい結果を得られるよう取り組むと語った。最も適切な時期に首相自身が訪米し、トランプ米大統領と直接交渉して決着をつけるとの考えも改めて示した。

<米の優先順位、貿易赤字>

首相は、関税交渉における米国側の優先順位について「貿易赤字だ」と明言。日本に限らず世界各国との貿易赤字に米国は強い問題意識があると述べた。

日米交渉では自動車の非関税障壁や農産物、為替、LNG(液化天然ガス)など様々な分野に関心が集まっている。

首相は自動車の交渉について、日本で米国車が売れていない理由について互いに認識を共有することが大事だと述べた。「今回は急速充電器、ウインカーなど細かい話はあるが、われわれとして日本の消費者の安全を考えていかなければならない」と説明。交通事情の違いを認識しつつも、アンフェアだと言われないようにしっかり詰めの作業を行うと語った。

農産物分野は、コメに関する米国の誤解を解く必要があると指摘。合わせてほかの農産物の輸入に関して「食の安全を譲ることはない」と強調した。

米国によるLNGの開発への投資や、日本が輸入を拡大することについて検討することは「それはそうだ」と認めた。日本の低いエネルギー自給率を踏まえ、米国からの輸入拡大は選択肢となり得るとした。

<為替協議、「フェアにやっていく」>

為替については、日米の財務相間での議論に委ねる考えを改めて示した。米国が円安の是正を求めてくる可能性について「そこはフェアにやっていくということであって、向こうが何を求めているのかということを今、私の立場で予断をもって言うことはしない」と述べた。

トランプ米大統領が在日米軍の駐留経費などについて不満を示していることについては、「安全保障の話と貿易の話は違う分野の話。それを絡めて議論をすることは正しいとは思っていない」と強調。関税と絡めない形で議論する必要があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランと欧州3カ国、核合意巡り外交協議

ワールド

イスラエル、フーシ派支配の港湾都市攻撃 指導者の殺

ワールド

ウクライナ国防相「次は首脳会談」、直接交渉の目標は

ビジネス

米ミシガン大消費者信頼感、5月速報値悪化 1年先期
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」する映像が拡散
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    大手ブランドが私たちを「プラスチック中毒」にした…
  • 5
    宇宙の「禁断領域」で奇跡的に生き残った「極寒惑星…
  • 6
    ヤクザ専門ライターが50代でピアノを始めた結果...習…
  • 7
    中ロが触手を伸ばす米領アリューシャン列島で「次の…
  • 8
    戦車「爆破」の瞬間も...ロシア軍格納庫を襲うドロー…
  • 9
    これが「女性ウケする男性像」で間違いない...『君の…
  • 10
    MEGUMIが私財を投じて国際イベントを主催した訳...「…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」にネット騒然
  • 4
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 5
    ワニの囲いに侵入した男性...「猛攻」を受け「絶叫」…
  • 6
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 7
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
  • 10
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワ…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 7
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中