ニュース速報
ワールド

ウクライナ戦争終結へ交渉開始、米ロ首脳が電話会談で合意

2025年02月13日(木)09時08分

トランプ米大統領は12日、ロシアのプーチン大統領と電話会談したと明らかにした。5日撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

Nandita Bose Guy Faulconbridge Tom Balmforth

[ワシントン/キーウ 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナでの戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意したと明らかにした。自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

ロシア大統領府(クレムリン)も両首脳が電話協議し、対面での会談実施で合意したことを確認。プーチン氏はトランプ氏をモスクワに招待したという。

1時間以上に及んだ電話会談の後、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、プーチン氏が戦争終結を望んでいるとし、「遠くない将来の停戦実現」について協議したと述べた。

「(プーチン氏は)戦争終結を望んでいる。戦争を終わらせて6カ月後にまた戦争を始めることは望んでいない」とし、「われわれは平和への道を歩んでいると思う。プーチン大統領は平和を望んでいるし、(ウクライナの)ゼレンスキー大統領も平和を望み、私も平和を望んでいる」と語った。

プーチン氏との直接会談については、おそらくサウジアラビアで近く行われるとの見方を示した。

トランプ氏はSNSへの投稿で、戦争終結に向けた交渉はルビオ国務長官、米中央情報局(CIA)のラトクリフ長官、ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)、ウィットコフ中東担当特使が率いるとした。

トランプ氏はプーチン氏との電話会談後にゼレンスキー氏とも協議した。ウクライナ大統領府によると、協議は約1時間に及んだ。

ゼレンスキー氏はウクライナと米国との間の安全保障問題のほか、経済協力や資源パートナーシップなどを巡る文書の準備について協議したと表明。「和平を実現する機会について長く話し合った」とXに投稿した。また「共に取り組む用意があることや、ドローン(無人機)など先進産業を含むウクライナの技術力について協議した」と述べた。

さらに、トランプ氏からプーチン大統領との協議内容について説明を受けたほか、今後も連絡を維持し、会談を計画することで合意したと明らかにした。

ロシアが2022年にウクライナに全面侵攻してから間もなく3年になるが、和平交渉は侵攻初期以来行われていない。

ヘグセス米国防長官は12日、ウクライナが14年以前の国境に戻るのは非現実的であり、米政権はウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟がロシアによる戦争の解決策の一部になるとは考えていないとの見解を示した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳が電話会談、トランプ氏「順調に進展

ワールド

ウクライナ衛星通信利用へEUの資金援助提言=欧州委

ワールド

新たな核合意に2カ月の期限、トランプ氏のイラン宛て

ワールド

EU、鉄鋼の輸入制限厳格化へ 米関税受けた流入増阻
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 5
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 6
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 7
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 8
    DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ…
  • 9
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 8
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 9
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中