ニュース速報
ワールド

ブルームバーグ氏慈善組織、トランプ氏が中止する国連気候対策資金提供をカバー

2025年01月24日(金)12時26分

 1月23日、米実業家で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏(写真)の慈善組織、ブルームバーグ・フィランソロピーは、トランプ米大統領が国際的な気候変動対策への米国の資金拠出停止を宣言したのに伴い、その穴を埋めるために国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に資金を提供すると発表した。写真は米ニューヨークで昨年9月撮影(2025 ロイター/Elizabeth Frantz)

Valerie Volcovici

[ワシントン 23日 ロイター] - 米実業家で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏の慈善組織、ブルームバーグ・フィランソロピーは23日、トランプ米大統領が国際的な気候変動対策への米国の資金拠出停止を宣言したのに伴い、その穴を埋めるために国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に資金を提供すると発表した。

ブルームバーグ・フィランソロピーは声明で、他の米国の資金提供者とともに「国連が国際的な気候目標を達成できるようにする」とし、そうした協力には、米政府が毎年UNFCCCに拠出している額をカバーすることが含まれると説明した。金額と、他の資金提供者の詳細は明らかにしていない。

ブルームバーグ氏は声明で、米国が国際的な気候目標達成に向けた取り組みを続けるため、州や市、企業と協力すると表明。トランプ第1次政権が気候変動対策を怠った2017年から20年にかけても「市、州、企業、国民がわが国の関与を維持するために立ち上がった。そして今、われわれは再びそうする準備がある」と強調した。

20日に就任したトランプ大統領は気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱し、国際的な気候変動対策への資金拠出をやめると宣言した。トランプ氏は1期目の在任中にもパリ協定から離脱した。

UNFCCは気候変動に関する年次国際会議を主催し、合意事項の実行を助けている。米国はUNFCCCの中核予算の約21%を担ってきた。ロイターの分析によると、UNFCCCは厳しい予算不足に陥っている。

UNFCCCのサイモン・スティル事務局長は「ブルームバーグ・フィランソロピーによる寛大な支援および、マイケル・ブルームバーグ氏のリーダーシップに深く感謝する」との声明を出した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ハマス、新たに人質1人の遺体を引き渡し 攻撃続き停

ワールド

トランプ氏、米国に違法薬物密輸なら「攻撃対象」 コ

ビジネス

米経済、来年は「低インフレ下で成長」=ベセント財務

ビジネス

トランプ氏、次期FRB議長にハセット氏指名の可能性
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない
  • 4
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 5
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 6
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 7
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 10
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中