ニュース速報
ワールド

韓国捜査当局、尹大統領の逮捕状請求 地裁が18日に審査と報道

2025年01月17日(金)20時01分

 1月17日、韓国の尹錫悦大統領の弁護士は尹氏が捜査当局による同日の聴取に応じないと明らかにした。写真は尹氏が拘留されているソウル拘置所の外で警備にあたる警察。義王市内で16日撮影(2025年 ロイター/Tyrone Siu)

Ju-min Park Joyce Lee

[ソウル 17日 ロイター] - 韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は17日、「非常戒厳」宣布を巡る内乱容疑で拘束した尹錫悦大統領の逮捕状を裁判所に請求した。

拘束期限が迫る中、尹氏は聴取に応じておらず、取り調べの時間を確保する必要があった。逮捕状では最大20日間の拘束が可能になる。

高捜庁は17日の会見で「犯罪の重大さ」を理由に逮捕状を請求したと説明。聯合ニュースによると、ソウル西部地裁は18日午後に請求を審査する予定。

ソウル中央地裁は16日夜、拘束の適法性に異議を唱えた尹氏の弁護団による申し立てを棄却し、拘束は適法との判断を示した。

尹氏は弁護士を通じて発表した声明で、拘置所は「少し居心地が悪い」が、元気に過ごしていると表明。寒い中、拘置所の周辺に集まった数百人の支持者に謝意を示し「国民の燃えるような愛国心に感謝する」と述べた。

高捜庁は尹氏に17日の聴取を求めたが、弁護士は大統領が応じないと説明。「(尹氏は)基本的な立場を(拘束)初日に十分に表明しており、われわれは質疑応答のようなやりとりに応じる理由も必要性もないと考えている」と述べた。

聯合ニュースによると、大統領警護庁トップ代行の金声勲次長は17日、捜査を妨害したとして身柄を拘束された。金氏は記者団に「正当な警護任務」を遂行していたと発言。尹氏が捜査員に対する武器の使用を指示していたとの一部の野党議員の主張を否定した。

一方、世論調査会社の韓国ギャラップが17日に発表した世論調査によると、与党「国民の力」の支持率は前週から39%で、前週から5ポイント上昇。最大野党「共に民主党」は前週から横ばいの36%で、8月以来初めて与党が逆転した。

韓国ギャラップは、政治的分裂が深まる中、尹氏と与党が支持者に向けてメッセージを発信し続けたことが影響したようだと分析した。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は17日、外国メディアを引用する形で、韓国で史上初めて現職大統領が身柄を拘束されたと報道。「(尹氏は)個人の利益のために国家の秩序を犠牲にし、法の手続きに従っていない」と伝えた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米東部の高齢者施設で爆発、2人死亡・20人負傷 ガ

ワールド

英BP、カストロール株式65%を投資会社に売却へ 

ワールド

アングル:トランプ大統領がグリーンランドを欲しがる

ワールド

モスクワで爆弾爆発、警官2人死亡 2日前のロ軍幹部
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中