英国、ジョージアとの安全保障対話を凍結 民主主義衰退を懸念
英国は旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)との年次安全保障対話を凍結した。議会選を控えた首都トビリシで9月27日撮影。(2024年 ロイター/Irakli Gedenidze)
[トビリシ 15日 ロイター] - 英国は旧ソ連構成国ジョージア(グルジア)との年次安全保障対話を凍結した。民主主義の衰退に対する懸念が背景。他の防衛協議も中止した。
駐トビリシのガレス・ウォード英国大使が15日公表されたインタープレス通信とのインタビューで明らかにした。
同大使は「私はジョージアの回復力とわれわれ共通の繁栄を強化するため協力したいと期待していたが、ジョージア政府はこの1年で違う道を選んだ」と語った。
ジョージア議会は5月、外国から資金提供を受けている団体を規制する「外国の代理人(スパイ)」法案を可決。反対派はロシアで同様の法律が言論弾圧に使用されていると主張しており、欧米諸国から批判が相次いでいる。
同大使は、ジョージア政府の行動を受けて「民主主義の衰退と反西側的なレトリックに対する懸念」を表明したと発言。
今月26日のジョージア議会選について「選挙後、誰が政権を取るかにかかわらず、信頼を回復し、緊密なパートナーシップに戻るため、欧州・大西洋路線に戻るという明確な証拠が示されることを期待している」と述べた。
年次安全保障対話は両国が外交、安全保障、防衛政策を協議する場で、2014年に始まった。凍結は初めて。防衛に関するハイレベル協議も中止になった。