ニュース速報
ワールド

イスラエル、ベイルート空爆 ヒズボラ指揮官ら12人死亡

2024年09月21日(土)04時51分

イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。ベイルートで同日撮影(2024年 ロイター/Mohamed Azakir)

Laila Bassam Maayan Lubell

[ベイルート/エルサレム 20日 ロイター] - イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。この攻撃により、ヒズボラの作戦指揮官イブラヒム・アキル氏が死亡した。イスラエル軍とレバノンの治安筋2人が明らかにした。

アキル氏はヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」のメンバーとともに会議中に殺害されたという。

レバノン保健省の発表によると、この攻撃で少なくとも12人が死亡。66人が負傷し、うち9人が重体だという。

現地メディアは、付近にいた少なくとも10人が依然として行方不明で、その多くが子どもだと報じた。無人機(ドローン)は空爆から数時間後もベイルート南郊の上空を飛行し続けた。

ヒズボラは今回の攻撃について公式声明を出さず、アキル氏が標的にされたのか、あるいは殺害されたのか確認しなかった。

イスラエル軍は「ベイルートで標的を定めた攻撃を実施した」とした上で、空爆でアキル氏のほか、ヒズボラの上級指揮官約10人が死亡したと発表。声明で今回の行動は「イスラエル国民を守ることが目的」とし、地域情勢の悪化は求めていないとした。

イスラエルのメディアが伝えた短い声明によると、ネタニヤフ首相は、イスラエルの目標は明確であり、その行動が全てを物語っているとした。

またガラント国防相はXへの投稿で「新たな段階の一連の行動は、北部の住民が安全に自宅に戻るというわれわれの目標が達成されるまで継続されるだろう」と述べた。

イスラエルがベイルートでヒズボラの最高軍事司令官を攻撃したのはここ2カ月弱で2度目。7月には空爆によりヒズボラ司令官で作戦本部トップのファド・シュクル氏を殺害した。

米国務省のウェブサイトによると、1983年にレバノンで海兵隊員を殺害した爆破事件に関与したとして、アキル氏には700万ドルの懸賞金がかけられていた。

これに先立ち、イスラエル軍はベイルートで「標的を絞った攻撃」を実施したと発表。レバノンの治安筋によると、攻撃を受けたのはヒズボラの主要施設付近だった。

ヒズボラの指導者ナスララ師は19日、17、18日の両日に発生した通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」とみなされると主張。イスラエル軍は18日夜から19日にかけてレバノン南部の複数の標的を戦闘機などが攻撃したと発表している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ全域で通信遮断、イスラエル軍の地上作戦拡大の兆

ワールド

トランプ氏、プーチン氏に「失望」 英首相とウクライ

ワールド

インフレ対応で経済成長を意図的に抑制、景気後退は遠

ビジネス

FRB利下げ「良い第一歩」、幅広い合意= ハセット
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 10
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中