ニュース速報
ワールド

米下院、950億ドルのウクライナ・イスラエル支援法案可決 上院へ

2024年04月21日(日)16時43分

 米下院は20日、ウクライナ、イスラエル、台湾への安全保障支援を目的とした950億ドル規模の法案パッケージを超党派で可決した(2024年 ロイター/Ken Cedeno)

Richard Cowan Moira Warburton Patricia Zengerle

[ワシントン 20日 ロイター] - 米下院は20日、ウクライナ、イスラエル、台湾への安全保障支援を目的とした950億ドル規模の法案パッケージを超党派で可決した。多数派の共和党は、強硬派が反対したものの押し切った。

法案は上院に送られる。民主党が多数を占める上院は2カ月以上前に同様の法案を可決しており、23日に審議を開始する。その週内に通過が見込まれ、バイデン大統領の署名を経て成立する運びだ。

法案はウクライナ支援に608億4000万ドル(米国の武器・在庫・設備の補充向け230億ドルを含む)、イスラエル向けに260億ドル(人道支援91億ドルを含む)、台湾を含むインド太平洋地域に81億2000万ドルを拠出する内容。

ウクライナのゼレンスキー大統領は謝意を示し、この支援は人命を救い、ロシアとの戦争に「正当な終結をもたらす」と述べた。

ウクライナのシュミハリ首相は、米国が没収するロシア資産についてウクライナ復興資金としての活用が承認されたことに感謝の意を表した。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、米国によるウクライナ支援は紛争における被害と死者をさらに増やすことになると指摘。凍結ロシア資産のウクライナへの移転にも反発し、報復措置を取ることになると述べた。

ウクライナ支援の採決は311対112で可決された。共和党議員は112人が反対し、賛成は101人にとどまった。

ホワイトハウス筋によると、バイデン政権は既にウクライナの戦場でのニーズに応える次の支援をまとめており、今回の法案が成立した後すぐに新たな措置を発表できるという。

一方、イスラエル支援は366対58で可決されたが、民主党議員37人、共和党議員21人が反対した。

また、今回のパッケージには中国系動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」禁止を警告する内容も盛り込まれた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替に関する既存のコミットメントを再確認=G20で

ビジネス

米国株式市場=上昇、大型ハイテク株に買い戻し 利下

ワールド

米大統領とヨルダン国王が電話会談、ガザ停戦と人質解

ワールド

ウクライナ軍、ロシア占領下クリミアの航空基地にミサ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ暗殺未遂
特集:トランプ暗殺未遂
2024年7月30日号(7/23発売)

前アメリカ大統領をかすめた銃弾が11月の大統領選挙と次の世界秩序に与えた衝撃

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理由【勉強法】
  • 2
    BTS・BLACKPINK不在でK-POPは冬の時代へ? アルバム販売が失速、株価半落の大手事務所も
  • 3
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子どもの楽しい遊びアイデア5選
  • 4
    キャサリン妃の「目が泳ぐ」...ジル・バイデン大統領…
  • 5
    地球上の点で発生したCO2が、束になり成長して気象に…
  • 6
    トランプ再選で円高は進むか?
  • 7
    カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5…
  • 8
    もろ直撃...巨大クジラがボートに激突し、転覆させる…
  • 9
    日本人は「アップデート」されたのか?...ジョージア…
  • 10
    「轟く爆音」と立ち上る黒煙...ロシア大規模製油所に…
  • 1
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラニアにキス「避けられる」瞬間 直前には手を取り合う姿も
  • 2
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを入れてしまった母親の後悔 「息子は毎晩お風呂で...」
  • 3
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」、今も生きている可能性
  • 4
    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…
  • 5
    【夏休み】お金を使わないのに、時間をつぶせる! 子…
  • 6
    「習慣化の鬼」の朝日新聞記者が独学を続けられる理…
  • 7
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 8
    「失った戦車は3000台超」ロシアの戦車枯渇、旧ソ連…
  • 9
    「宇宙で最もひどい場所」はここ
  • 10
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ウクライナ南部ヘルソン、「ロシア軍陣地」を襲った猛烈な「森林火災」の炎...逃げ惑う兵士たちの映像
  • 3
    ウクライナ水上ドローン、ロシア国内の「黒海艦隊」基地に突撃...猛烈な「迎撃」受ける緊迫「海戦」映像
  • 4
    ブータン国王一家のモンゴル休暇が「私服姿で珍しい…
  • 5
    正式指名されたトランプでも...カメラが捉えた妻メラ…
  • 6
    韓国が「佐渡の金山」の世界遺産登録に騒がない訳
  • 7
    すぐ消えると思ってた...「遊び」で子供にタトゥーを…
  • 8
    月に置き去りにされた数千匹の最強生物「クマムシ」…
  • 9
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「…
  • 10
    「どちらが王妃?」...カミラ王妃の妹が「そっくり過…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中