ニュース速報

ワールド

EU、ロ産原油価格上限で週末にも正式合意 禁輸後の高騰阻止

2022年12月03日(土)07時45分

EU(欧州連合)は2日、ロシア産原油の輸入価格に対する1バレル=60ドルの上限設定で合意した。シベリアで2015年3月撮影(2022年 ロイター/Sergei Karpukhin)

[ブリュッセル 2日 ロイター] - EU(欧州連合)は2日、ロシア産原油の輸入価格に対する1バレル=60ドルの上限設定で合意した。承認を保留していたポーランドが支持に転換したことを受け、週末にも正式承認される見通し。

ポーランドのアンジェイ・サドスEU大使は2日、記者団に対し、価格上限を市場価格より少なくとも5%低く保つとの条件が含まれた合意に賛成すると表明した。

ポーランドは、ロシアの戦費調達を制限するため上限をより低く抑える調整メカニズムの検討を求め、提案された水準に抵抗感を示していた。

価格上限の設定は主要7カ国(G7)の提案で、ロシアの原油収入を減らし、EUが12月5日にロシア産原油禁輸を開始した後の価格高騰を防ぐ狙いがある。

EUの輪番議長国を務めるチェコの報道官は、加盟27カ国全てがこの協定を正式に承認するため書面による手続きを開始したと明らかにした。4日に正式発表される見通し。

フォンデアライエン欧州委員長は、上限の設定はロシアの収入を著しく減少させるとの認識を示した。また、市場の動きに対応できるように60ドルの上限の調整は可能とした上で、「世界のエネルギー市場を安定させる」という見通しを示した。

G7の価格上限は、EU域外の国々がロシア産原油の海上輸入を継続することは認めるが、価格が上限を下回っていない限り、海運や保険、再保険会社がロシア産原油の貨物を扱うことを禁止するもの。

主要海運企業や保険会社はG7各国に拠点を置いているため、価格上限設定によりロシアが原油をより高い価格で販売することは極めて難しくなる。

米ホワイトハウスは2日、これを歓迎し、ロシアの収入に対する制限につながると引き続き確信しているとした。

一方、 ロシア下院外交委員会のスルツキー委員長は2日、EU(欧州連合)はロシア産石油に価格上限を設定することにより、EU域内のエネルギー安全保障を危険にさらしていると述べた。タス通信が報じた。

先週のG7の当初提案では、価格上限は1バレル当たり65─70ドルとし、調整メカニズムの設定はなかった。ロシアのウラル原油はすでにこれを下回って取引されていたため、ポーランド、リトアニア、エストニアは上限価格の引き下げを求めていた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:欧州で若者向け住宅購入の新ビジネス、価格

ワールド

焦点:道半ばの中国「社会保険改革」、企業にも個人に

ワールド

昨年の関税合意実施を米と確認、日本が不利にならない

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ453ドル安 原油高と雇用
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗雲...専門家「イランの反撃はこれから」「報道と実態にズレ」
  • 4
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園…
  • 5
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 6
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 7
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 10
    【WBC】侍ジャパン、大谷翔平人気が引き起こした球場…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中