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ウクライナ首相、復興費は「ロ富裕層が負担すべき」 EUは支援表明

2022年07月05日(火)01時04分

ウクライナのシュミハリ首相は4日、ロシアの侵攻に伴うウクライナの復興費用が7500億ドル規模に達する可能性があり、ロシアの富裕層が費用を負担すべきだという見解を示した。マリウポリで4月撮影(2022年 ロイター/Alexander Ermochenko)

[ルガノ(スイス) 4日 ロイター] - ウクライナのシュミハリ首相は4日、ロシアの侵攻に伴うウクライナの復興費用が7500億ドル規模に達する可能性があり、ロシアの富裕層が費用を負担すべきだという見解を示した。

シュミハリ首相は、スイス・ルガーノで開催されたウクライナ復興を巡る国際会議で、西側諸国が凍結しているロシアの資産が3000億─5000億ドル相当と推定されるとし、「ロシアおよびロシアの新興財閥(オリガルヒ)の凍結資産が復興に向けた主要な資金源になると確信している」と語った。さらに「ロシア当局がこの血なまぐさい戦争を仕掛け、大規模な破壊を引き起こした。その責任を問われるべき」とした。

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、EUが復興努力を調整するためのプラットフォームを新設するほか、ウクライナのEU加盟候補としての地位を確固たるものとすることを支援すると言明した。

フォンデアライエン委員長は、ロシアのウクライナ侵攻開始以降、「EUは約62億ユーロ(64億8000万ドル)の財政支援を実施した」とし、「さらなる追加支援が実施されるだろう。われわれは中長期的な復興に実質的に関与していく」と述べた。

さらに、長年にわたるウクライナとの緊密な連携を踏まえ、欧州にはウクライナを支援する責任と戦略的利益があると強調。「ロシア政府の目標はウクライナの軍事的、政治的、経済的な破壊だ」とし、「ウクライナの国家としての存在そのものを弱体化させようとしている。われわれはそのようなことはさせない」と言明した。

オンラインで会議に参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、同国復興を支援する取り組みを歓迎し「人を人たらしめているものを回復させる」と述べた。

ロイター
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