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スウェーデン中銀、金利を予想通り据え置き 債券の新規買い入れは停止

2017年12月21日(木)00時57分

 12月20日、スウェーデン中銀は市場の予想通り政策金利をマイナス0.5%で据え置いた。一方で、満期を迎える債券の償還分やクーポンは再投資する方針を示した。写真はストックホルムにある同中銀の玄関口。2016年8月撮影(2017年 ロイター/Violette Goarant )

[ストックホルム 20日 ロイター] - スウェーデン中銀は20日、市場の予想通り、政策金利をマイナス0.5%で据え置いた。ただ、新規の債券買い入れは行わず、満期を迎える債券の償還分や利息の再投資にとどめることを決めた。超低金利政策転換に向けた一歩を踏み出した。

中銀は2015年初めからマイナス金利政策と債券買い入れプログラムを続けていた。

再投資については「中銀による国債保有は、2018年と19年初めに一時的に増加することを意味する」と説明した。政策委員6人のうち、オルソン副総裁とフローデン副総裁の2人が再投資に反対したという。

ING銀行(ロンドン)のエコノミスト、ヨナス・ゴルターマン氏は「債券買い入れが延長される可能性もあったが、中銀は明らかに政策の正常化を開始した」と述べた。

ロイター調査に回答した大半のアナリストは、債券買い入れの終了と償還資金などの再投資を予想していた。

イングベス総裁は記者団に対し「緩やかに正常化しているが、緩やかであることを強調しておく」と述べた。

中銀は来年半ばから金利上昇が始まるとの見通しを再度示し、対ユーロでのクローナ上昇を支援すると指摘した。

ただエコノミストからは懐疑的な見方もでている。

ノルデアのエコノミストは、欧州中央銀行(ECB)が比較的ハト派姿勢を示すなか基調インフレは低下する可能性が高いと指摘。

最近の不動産市場低迷も、早期引き締めを抑制する可能性がある。イングベス総裁は、住宅価格はもう少し下落するだろうが、緩やかなものでインフレや経済成長への影響はほとんどないとの見方を示した。

総裁は大幅な下落がクローナ安とインフレにつながった場合、利上げを思いとどまることはないとし、「住宅市場動向に合わせて金利を設定しているわけではない」と指摘。インフレ目標から外れた場合、金利変更されると述べた。

インフレ率は1年の大半の期間において、中銀目標の2%以上かその近辺で推移しており、国内経済も底堅さを維持している。ただ、中銀は政策の引き締めに消極的となっている。

中銀は「世界経済の活動は一段と堅調になっている。ただ、比較的インフレ圧力が抑制されていることから、国外の金融政策は向こう数年引き続き拡張的になる」との見方を示した。

中銀は、早期の利上げで通貨クローナが上昇し、ここ数カ月上向いていたインフレ率が反転する可能性があると懸念している。

*内容を追加しました

ロイター
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