ニュース速報

ワールド

豪労働市場に「かなり」の余剰資源=デベル中銀副総裁

2017年10月26日(木)19時28分

 10月26日、オーストラリア準備銀行のデベル副総裁は、同国の労働市場について、雇用は年初から大きく伸びているものの、市場にはなお「かなりの程度」の余剰資源が見られると述べた。写真はシドニーで9月撮影(2017年 ロイター/Jason Reed)

[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)のデベル副総裁は26日、同国の労働市場について、雇用は年初から大きく伸びているものの、市場にはなお「かなりの程度」の余剰資源(spare capacity)が見られると述べた。

同国では9月の雇用創出ペースが年率3.1%に加速。年間の人口増加ペース(1.6%)の2倍近い伸びを示し、1─9月の就業者数は37万1500人増えた。

しかし、失業率は5.5%前後で高止まりしており、不完全雇用率は過去最高水準に近い。

中銀はインフレ非加速的失業率(NAIRU)を5%と推定しており、これは労働市場に働き手の不足が生じ、賃上げに結びつくまでにはさらに需給が引き締まる必要があることを意味している。

デベル副総裁は「不確実性」と題した26日の講演で、中銀は余剰資源が緩やかに減少していくと予想しているが、賃金は必ずしも上昇するとは限らないと指摘した。

アナリストらは、経済は完全雇用状態で循環しているものの、賃金と労働コストの停滞が続くという世界的なトレンドにオーストラリアも追随するのではないかと疑っている。

中銀もこの点は警戒しており、副総裁は「余剰資源が最低水準であるにもかかわらず、インフレは抑えられているという、他の労働市場で見られる展開がわが国でも起きる可能性に注意を払っていく」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三井住友FG、インド大手銀行に2400億円出資 約

ビジネス

米国は最大雇用に近い、経済と労働市場底堅い=クーグ

ビジネス

米関税がインフレと景気減速招く可能性、難しい決断=

ビジネス

中国製品への80%関税は「正しい」、市場開放すべき
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中