ニュース速報

ワールド

カタルーニャ住民投票「独立賛成」90%、警察と衝突で844人負傷

2017年10月02日(月)09時16分

 10月1日、スペイン北東部カタルーニャ自治州の当局者によると、スペイン警察が1日、スペインからの同州の分離独立を問う住民投票を阻止するために警棒やゴム弾を使い、数百人が負傷した。写真はタラゴナで1日撮影(2017年 ロイター/David Gonzalez)

[バルセロナ 1日 ロイター] - スペイン北東部カタルーニャ自治州で1日、分離独立の是非を問う住民投票が行われた。当局によると226万人が投票し、90%が独立に賛成した。投票率は自治州の有権者数534万人に対し42%と、想定を上回った。

スペイン政府は住民投票が憲法に反するとの声明を発表しており、同国警察は投票を阻止するため警棒やゴム弾を使用、自治州当局によると844人が負傷したという。スペイン内務省は警察官12人が負傷したと発表した。

スペインのラホイ首相は同自治州の独立を認めておらず、テレビで独立派は「国家全土への脅迫」を企てていると非難。自治州の将来について、全政党での協議を呼び掛けた。

今回の住民投票により、スペインは数十年ぶりとなる憲法上の危機に見舞われており、同国政府とカタルーニャ自治州の間の溝は深まっている。

カタルーニャ自治州のプチデモン首相はテレビ演説で「この希望と苦しみの日に、カタルーニャの住民は、共和国の形態による独立国家を得る権利を手に入れた」と主張。「わが政府は数日中に、この日の投票結果を、わが住民の主権が存在するカタルーニャ議会に送り、住民投票の法律に従って行動することができるようになるだろう」と述べた。

プチデモン州首相は、独立が可決された場合、同州政府は48時間以内の独立を宣言すると述べていた。

バルセロナに州都を置くカタルーニャ自治州は、スペインの産業や観光の5分の1を占める。

投票当日は警棒を持ったスペイン警察が投票所に押し入り、有権者を排除しようとした。これに対し海外からは批判が集まった。英国のジョンソン外相は、住民投票は違憲だとするスペイン政府の見解を支持しつつ、警察の対応には懸念を表明した。

スペインのサエンスデサンタマリア副首相は、警察の行動は適切だったと主張。「自治州政府の全く無責任な行為には、国家の治安部隊で対応する必要があった」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国万科の元建て社債が過去最安値、売買停止に

ワールド

鳥インフルのパンデミック、コロナ禍より深刻な可能性

ワールド

印マヒンドラ&マヒンドラ、新型電動SUV発売 

ワールド

OPECプラス、第1四半期の生産量維持へ=関係筋
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中