ニュース速報

ワールド

日本が北朝鮮に独自制裁、核技術者の入国・船舶の入港禁止

2016年02月10日(水)20時50分

2月10日、日本政府は長距離ミサイルを発射した北朝鮮に対する独自の制裁措置を決定した。ソウルで7日撮影(2016年 ロイター/KIM HONG-JIP)

[東京 10日 ロイター] - 日本政府は10日、国家安全保障会議(NSC)を開き、長距離ロケットを発射した北朝鮮への独自制裁措置を決定した。人の往来と送金、船舶入港の規制対象を拡大する。菅義偉官房長官は会見で「わが国の強い意志と理解してもらいたい」と語った。

閣議決定と国会の事後承認を経て実施する。核やロケット開発に日本の技術が流出しないよう、北朝鮮に渡航した核・ミサイル技術者の再入国を禁止する。送金も人道目的や10万円以下を除いて基本的に認めない。

さらに北朝鮮籍船舶の日本への入港だけでなく、抜け道を防ぐため北朝鮮に寄港した第三国籍船の入港も禁止する。資産凍結の対象となる関連団体と個人を拡大する。

菅官房長官は「何が最も有効な策かを考えに考えた末にこうした対応をした」と説明。「今後とも北朝鮮の対応や国際社会の動きを踏まえ、必要に応じてさらなる措置を検討していきたい」と述べた。

1月6日に核実験を行い、2月7日にロケットを発射した北朝鮮をめぐっては、国連安全保障理事会も追加制裁に向けた調整を続けている。中国の消極的な姿勢が決定を遅らせているが、菅官房長官は「わが国の毅然たる、断固たる対応が安保理の速やかな決議につながることを期待したい」と語った。

拉致という独自の問題を抱える日本は、安否を含めた再調査を約束した北朝鮮に対し、制裁措置を一部解除した経緯がある。今回の新たな制裁が北朝鮮の態度を一段と硬化させる可能性もあるが、菅官房長官は「拉致は安倍政権にとって最重要課題」と指摘。「(再調査を決めた)ストックホルム合意を破棄する考えはない」と述べ、対話を続ける考えを示した。

韓国政府もこの日、南北の協力事業である開城工業団地の操業を停止する独自の制裁措置を発表した。

*内容を追加しました。

(久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国の米国産大豆の購入は「予定通り」─米財務長官=

ワールド

ハセットNEC委員長、次期FRB議長の最有力候補に

ビジネス

中国アリババ、7─9月期は増収減益 配送サービス拡

ビジネス

米国株式市場・午前=エヌビディアが2カ月ぶり安値、
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中