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原油供給過剰年末まで、一段の価格下落も=国際機関

2016年01月20日(水)01時05分

 1月19日、国際エネルギー機関が月報を発表した。写真はカリフォルニア州のガソリンスタンドで2012年3月撮影(2016年 ロイター/Mario Anzuoni)

[19日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は19日に発表した月報で、平年よりも高い気温や供給増加により、世界の石油市場は少なくとも2016年末までは供給過剰の状態が続き、すでに12年ぶりの安値を付けている原油価格は一段と下落する可能性があるとの見方を示した。

暖冬により、第4・四半期の世界の石油需要の伸びは日量100万バレルと、1年ぶり低水準となった。一方、第3・四半期は約5年ぶり高水準となる日量210万バレルを記録していた。

2016年の世界の石油需要の伸びについては、日量約120万バレルとの前月予想を据え置いた。

IEAは「石油市場は3年連続で、供給が需要を日量100万バレル上回る状態になる見通しだ」とし、過剰な供給の吸収は困難になるとの見方を示した。

原油価格の下落は年明け以降も続いており、18日の取引では対イラン制裁の解除を受けた同国の増産により供給過多が一段と進むとの懸念から、北海ブレント先物が1バレル=28ドルを割り込み、2003年以来の安値を更新している。

IEAは「石油輸出国機構(OPEC)加盟国の産油量を公式に予想することはしない」としながらも、「イランが今年の年央までに日量60万バレルの増産を行えば、他のOPEC加盟国が現在の産油量を維持したとしても、上半期は世界的に日量150万バレルの供給過多となる」とし、原油価格は一段と圧迫される可能性があるとの見方を示した。

イランは制裁解除を受け、当面は日量50万バレルの増産を行う予定。ただIEAは今年第1・四半期の増産幅は日量30万バレルにとどまるとの予想を示している。

IEAは非OPEC加盟国の産油量は日量約60万バレル減少するとの見方を維持。「非OPEC加盟国の産油量の減少に伴い原油在庫の増加ペースは下半期には緩和すると見られるが、何らかの変化がない限り、原油市場の供給過多な状況は続く」とし、原油価格が一段と下落する可能性があるとの見方を示した。

*内容と写真、カテゴリーを追加しました。

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