ニュース速報

ワールド

米債務上限引き上げと予算案で与野党が合意、下院は28日採決へ 

2015年10月28日(水)02時36分

 10月27日、債務上限引き上げと予算案で合意に達したことを受け、ベイナー下院議長は28日に採決を行う意向だ。写真は10月21日の会見時の議長。(2015年 ロイター/Jonathan Ernst )

[ワシントン 27日 ロイター] - 米ホワイトハウスと与野党の議会指導部は、連邦債務上限の引き上げと2016、17会計年度の予算案で合意に達した。今後の焦点は議会が迅速に法案を可決するかどうかに移る。

共和党のベイナー下院議長は27日、党会合で予算案の内容を説明。28日に採決を行い、上院に送付する考えを示した。

下院では29日、退任を表明しているベイナー氏の後任を選ぶ議長選出が予定されており、30日の退任までに与野党の大きな争点となっている問題を片付けたい意向のようだ。

議長就任が有力視されているライアン下院歳入委員長は記者団に、合意の詳細を精査するまで賛否に関する態度を保留すると述べた。

ホワイトハウスは、議会の与野党双方に対し、指導部が合意した予算案を可決するよう要請した。予算案は国防、国内プログラム向け双方の強制的な歳出削除を回避するとしている。

合意では、米国の借り入れ権限を2017年3月まで延長する。

米財務省は来週11月3日にも資金が枯渇するとしており、議会が債務上限引き上げで迅速に対応しなければデフォルト(債務不履行)のリスクが迫る。

また議会は12月11日までに連邦プログラム向けの新規資金手当てで合意しない限り、大半の政府機関は閉鎖に追い込まれる。今回の合意は大枠のみで、詳細は今後詰める必要がある。

2年度分の予算案では、歳出を今後2年間に計800億ドル拡大する。増加分は国防費と国内プログラム双方に均等に振り分けられる計画で、500億ドルを2016会計年度(2015年10月1日━2016年9月30日)、300億ドルを2017年度予算に充てる。

歳出増の原資を確保するため、2018会計年度から6年にわたり5800万バレルの戦略石油備蓄を売却することも盛り込まれた。

米国は戦略石油備蓄として、テキサスとルイジアナに6億9500万バレル超の原油を保有。議会は新薬プログラムや高速道路の維持管理の原資を手当てするため、今年に入り何度か石油備蓄の売却を検討している。

エコノミストは備蓄削減自体は正しい方策としているが、原油価格が低迷する中での売却はタイミングが悪いと指摘している。

*内容を追加し、写真を差し替えて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ政権、「聖域都市」条例巡りボストン市を提訴

ワールド

フィリピンCPI、8月は前年比+1.5%に加速 予

ワールド

韓日米、15日から年次合同演習実施 北朝鮮の脅威に

ビジネス

日立、米国で送配電機器の製造能力強化 10憶ドル超
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 9
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中