ニュース速報

ワールド

米国務長官、南シナ海問題で中国に強硬姿勢貫く構え

2015年05月14日(木)11時44分

 5月13日、ケリー米国務長官は訪中時、中国が埋め立て作業を進める南シナ海について、航行や上空飛行の自由が維持されることが重要との見解を強調する方針。トルコで13日撮影(2015年 ロイター/JOSHUA ROBERTS)

[ワシントン 13日 ロイター] - ケリー米国務長官は16─17日に予定される訪中の際に、中国が南シナ海で進めている大規模な埋め立て作業について、地域の安定だけでなく、米国との関係にも悪影響を及ぼす恐れがあると、中国側に強硬な姿勢を貫く方針。国務省高官が13日、明らかにした。

同高官は、埋め立て作業が領有権を主張する根拠にはならないと指摘。ケリー国務長官は、中国側に対して、同国のイメージや、周辺各国との関係、ひいては米中関係においても、非常にマイナスの結果をもたらすことになると強調するだろうと語った。

ケリー長官はまた、米国が同海域での航行や上空飛行の自由が維持されるよう引き続き注力していくことを中国側にはっきり伝える予定だという。

米当局者は12日、カーター国防長官が、中国が埋め立て作業を行う南シナ海の南沙諸島周辺に米軍機・艦船派遣を含めた選択肢を要請したことを明らかにしていた。

これに対し、中国外務省報道官は「極めて懸念している」と表明。航行の自由は、外国の艦船や航空機が他国の領海・領空に自由に侵入できることではないと述べた。

ケリー長官の訪中は、6月の米中戦略経済対話や9月に見込まれる習近平国家主席の訪米に備えた準備が目的だが、協調ムードよりも対立色が濃くなりそうだ。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス

ワールド

アングル:ファッション業界に巣食う中国犯罪組織が抗

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中