ニュース速報
ビジネス

午前のドルは140円台へ下落、7カ月ぶり 米国不信や円安是正要求の思惑

2025年04月21日(月)12時36分

4月21日午前の東京外為市場で、ドルは早朝の142円前後から140円後半まで1円以上下落した。写真は米ドル紙幣。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 21日 ロイター] - 21日午前の東京外為市場で、ドルは早朝の142円前後から140円後半まで1円以上下落した。トランプ米大統領の政策や言動をきっかけとする米国不信でドル指数は3年ぶり安値に下落。ドル/円に関しては、日米財務相会談で円安是正が求められるとの思惑が下押し要因となっている。

ドルは朝方から下げ基調が続いた。仲値公示後から141円ちょうど付近に下落すると利食いが入る攻防が続いていたが、141円を割り込むと下げが深まり、一時140.61円まで下落。その後は売買が交錯する展開となっている。

ドル指数は98.26と、2022年3月末以来の安値を付けた。ユーロ/ドルは1.1532ドルで、2021年11月以来3年5カ月ぶりの高値となった。

外為どっとコム総合研究所調査部の中村勉研究員は、トランプ米大統領がパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長を解任する可能性が意識されているとして、「可否は別として、市場から見ると米国の健全性を疑う内容」だと指摘した。ドルが売られやすい地合いだと話す。

米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は前週末、パウエル議長の解任が選択肢にあるかを問われ「トランプ大統領と関係者が検討を続けている」と述べた。

今週にも実施が見込まれる日米財務相会談で、円安是正を求められるとの思惑がくすぶっているため「円が買われやすい」(中村氏)という。

トランプ米大統領が自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した「非関税の不正行為」の中で、一番最初の項目に為替操作が挙がっていることも話題になっていた。

141円を割り込んだことで、次は140円半ばや139円半ばが節目として意識される。特に、昨年9月16日に付けた139.58円を下抜けすると、「下げが加速する」(あおぞら銀行チーフ・マーケット・ストラテジストの諸我晃氏)との見方がある。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独政府、「自由落下」経済から産業救済強化を=産業連

ワールド

米政権、自動車燃費規制の大幅緩和を3日発表へ=関係

ワールド

欧州委、ロシア凍結資産活用巡り法的提案へ=関係筋

ワールド

ホンジュラス大統領選、トランプ氏支持候補が僅差で追
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 6
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中