ニュース速報
ビジネス

中国、家計支援で特別行動計画 所得増加と子育てに力点

2025年03月17日(月)09時55分

 3月16日、中国国務院(政府)は家計の所得増加と子育て支援を柱とした景気対策「特別行動計画」を発表した。写真は子ども服売り場を見る買い物客。北京で2月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)

[香港 16日 ロイター] - 中国国務院(政府)は16日、家計の所得増加と子育て支援を柱とした景気対策「特別行動計画」を発表した。李強首相が全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で外需低迷影響を緩和する方針を掲げたことを受けた措置。

中国の国内景気は新型コロナウイルス感染の影響や不動産市況の長引く低迷などにより、消費者心理が冷え込んでデフレ傾向に拍車がかかっている。このため、政府は新たな景気対策で歯止めを打つ構えだ。ただ、地方政府が具体策に落とし込んでいく際に支えとなる財源明示は限定的だった。

特別行動計画では、輸出と設備投資に依存した従来の経済運営が後景化。今回は家計支援に力点を置いた。同計画は各地域と各省庁に向け「消費を力強く促進し、内需をあらゆる面で拡大するとともに所得増加と負担軽減を通じて消費能力を引き上げる」と狙いを強調した。中でも、農村部の住宅整備の措置が挙げられたのが特徴だ。

さらに「子育て支援制度の研究・確立」を挙げた。柔軟な雇用形態の導入や総合病院での夜間小児科外来の開設に加え、地域や企業が運営する保育サービスも奨励した。

また、労働者の権利と休暇の保障を義務付け、有給休暇や短期間の休暇の取得が重視された。また、都市部と農村部の国民を対象とした基礎年金の財政補助基準も引き上げられる。このほか、ビザ免除対象国を増やすなど観光促進策も盛り込まれた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

原産国を韓国と偽る輸出が急増 大半が中国製、米関税

ワールド

EU、米産ガス輸入拡大へ規制緩和検討 貿易交渉に向

ワールド

米連邦地裁、消費者金融保護局の大量解雇を差し止め

ワールド

中国、各国の対中貿易制限に警戒 米が貿易協定巡り圧
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 4
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 9
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 9
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中