ニュース速報
ビジネス

世界の電力需要、27年まで年4%増加へ 中国は6%増=IEA

2025年02月14日(金)17時59分

 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大するとの見通しを示した。写真は、中国の鉄塔と送電線。2021年12月、北京市で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)

[パリ 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は14日発表した報告書で、世界の電力需要が2027年まで毎年4%のペースで拡大するとの見通しを示した。年間の電力需要の伸びは日本の総消費量を上回るという。

世界の電力需要の伸びの85%は新興国と途上国が占める見通し。伸びの半分以上は中国によるもので、中国の電力需要は27年まで年6%のペースで拡大すると見込まれている。

中国では20年以降、電力を大量に消費する工業部門や、太陽光パネル、バッテリー、電気自動車(EV)、関連材料の製造など電力集約型製造業の急速な拡大を背景に、電力需要が経済成長を上回るペースで伸びている。

空調、データセンター、5G(第5世代)ネットワークも電力需要増加の原因。

インドも世界の電力需要の伸びの10%を占める見通し。活発な経済活動やエアコンの急速な普及が背景。

米国など、これまで電力需要が停滞していた一部の先進国も、輸送、暖房、データセンターなどの分野で急速に電化が進むため、電力需要が拡大する見通しという。

欧州連合(EU)の電力需要の伸びは昨年7月時点の予測から1%ポイント下方修正され今年1.6%となる見込み。マクロ経済の見通し悪化が背景。21年の需要水準を回復するのは少なくとも27年以降になるという。

再生可能エネルギーや原子力といった低排出エネルギー源は、世界の需要増加傾向に対応できる見通し。電源構成で石炭のシェアを引き続き上回っているという。石炭のシェアは100年ぶりに33%を下回る見通し。

27年には太陽光が水力に次ぐ2番目に大きな低排出エネルギー源になると見込まれている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

EUがウクライナ産の小麦と砂糖に輸入枠、最大で80

ワールド

サウジ、ガザ恒久停戦を優先と外相 イスラエルとの関

ワールド

関税に関する書簡、米東部時間7日正午から送付開始=

ビジネス

エールフランスKLM、スカンジナビア航空への出資率
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 3
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中