ニュース速報
ビジネス

スイス中銀、マイナス金利再導入可能 物価と為替を注視=総裁

2025年01月23日(木)04時51分

スイス国立銀行(中央銀行)のシュレーゲル総裁(写真)は22日、ダボスで開かれている世界経済フォーラムの場で、国内のインフレ率が低過ぎる水準となればマイナス金利や為替介入を実行する用意があると述べた。昨年9月撮影。(2025 ロイター/Denis Balibouse)

[ダボス(スイス) 22日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のシュレーゲル総裁は22日、国内のインフレ率が過度に低下すれば、一段の利下げを実施したり、マイナス金利を再導入したりすることもできると述べた。ただ、こうした措置を導入する公算がどの程度あるかについては言及しなかった。

シュレーゲル氏は世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)でロイターに対し、現在0.5%としている政策金利に言及し、「まだ余地がある」と指摘。「マイナス金利を好む者はいない。中央銀行も好まない。ただ、必要なら再び導入する」と述べた。

スイス中銀は2014年12月から約8年間にわたりマイナス金利政策を導入していたが、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)後の物価上昇に対応する中で解除した。

中銀は昨年12月に0.5%ポイントの利下げを実施。政策金利は現在0.5%と、22年11月以来の低水準にあるが、市場では一段の利下げが予想されている。

シュレーゲル総裁は、金融環境は現時点で「適切」と指摘。その上で、3月の次回会合で追加的に金利を調整する必要があるか検討するとし、四半期ごとに判断していく考えを示した。

米国のトランプ新政権が導入する可能性のある関税措置でスイスのインフレ率が受ける影響は限定されるとの見方を示しながらも、世界的な不確実性が高まることでスイスフラン相場に影響が及ぶ可能性があると指摘。「危機の際にスイスフランが買われる傾向がある」とし、為替相場を含む金融環境を注視していくと語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中、通商分野で歩み寄り 301条調査と港湾使用料

ビジネス

テスラの10月中国販売台数、3年ぶり低水準 シャオ

ビジネス

米給与の伸び鈍化、労働への需要減による可能性 SF

ビジネス

英中銀、ステーブルコイン規制を緩和 短国への投資6
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 6
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中