ニュース速報
ビジネス

トランプ氏の政権復帰に市場は楽観的、関税政策の先行き警戒

2025年01月20日(月)20時16分

2期目のトランプ新政権発足を控え、投資家は準備を整える一方、貿易政策、特に関税方針を引き続き警戒している。ニューヨーク証券取引所で昨年11月撮影。(2025 ロイター/Andrew Kelly/File Photo)

Suzanne McGee Lewis Krauskopf

[ニューヨーク 20日 ロイター] - 2期目のトランプ新政権発足を控え、投資家は準備を整える一方、貿易政策、特に関税方針を引き続き警戒している。

トランプ氏は通商改革、不法移民対策、減税、暗号資産の規制緩和などを重要政策として掲げている。市場関係者は、市場を動かす可能性のあるシグナルを見極めようと就任演説を注視し、資産ポートフォリオを調整している。

CFRAリサーチのチーフ市場ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「不確実性が依然鍵となる言葉で、関税の脅威が現実となるのか、交渉の策にとどまるのかといった疑問に対して誰もが答えを求めている」と述べた。

ただ関係者の多くは、トランプ氏の最初の発言や行動に対する反応は比較的控えめなものになると予想している。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの最高投資責任者マイケル・アローン氏は、トランプ氏の最重要政策の変更のタイミングと影響は、時間を経て明らかになると予想している。

それでもトランプ氏の関税計画はインフレ懸念をさらに助長させ、債券市場や株価を圧迫する可能性がある。また、不法移民対策強化も影響が及ぶ可能性がある。規制緩和の動きは銀行株を押し上げ、 暗号資産を急騰させた

金融機関の利益は急増し、各社トップは新政権は企業に友好的で、銀行にとって好ましい政権になるとの見方を示している。

1期目のトランプ政権誕生の年、S&P500は最初の100日で5%上昇し、その後19.4%上昇した。1期目の在任中には68%上昇したが、中国との貿易戦争の影響もあり不安定な動きとなった。

2017年のトランプ政権誕生の当日は、就任演説後にS&P500が0.3%上昇した。今年は20日はキング牧師生誕日で株式市場と債券市場が休場のため、反応の見極めは21日までお預けとなる。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続伸、S&Pが終値で最高値 グロース

ビジネス

再送-11月の米製造業生産は横ばい、自動車関連は減

ワールド

米最高裁、シカゴへの州兵派遣差し止め維持 政権の申

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、GDP好調でもFRB利下げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中