ニュース速報
ビジネス

米9月貿易赤字、844億ドルに大幅拡大 関税引き上げ予想で輸入増

2024年11月06日(水)01時57分

米商務省が5日発表した9月の貿易収支の赤字額は前月比19.2%増の844億ドルだった。2018年7月撮影(2024年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 5日 ロイター] - 米商務省が5日発表した9月の貿易収支の赤字額は前月比19.2%増の844億ドルだった。前月の改定値は708億ドルだった。旺盛な国内需要を満たすためのほか、物品への関税引き上げを見越して企業が輸入を増やしたことにより、赤字額は大幅に拡大した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は841億ドルの赤字だった。

米大統領選共和党候補のトランプ前大統領は、勝利した場合、中国からの輸入品に60%の追加関税を課すほか、全輸入品に10%以上の関税をかける考えを示している。

オックスフォード・エコノミクスの米国シニアエコノミスト、マシュー・マーティン氏は「データセンターや半導体への投資が資本財の輸入を支え、強い消費が小売業者に在庫の積み増しを迫るため、短期的には輸入が輸出を上回ると予想している」と述べた。

輸入は3.0%増加し、過去最高の3523億ドルとなった。財(モノ)の輸入は4.0%増の2850億ドルとなり、2022年3月以来の高水準を記録した。医薬品を中心とした消費財の輸入が40億ドル増加したことが主因だった。

資本財の輸入はコンピューターと半導体が寄与し28億ドル増加。過去最高となった。原油を含む工業用品および材料の輸入は22億ドル増加した。自動車、部品、エンジンの輸入は12億ドル増加した。

食品輸入も188億ドルで過去最高となった。

一方、サービス輸入は6億ドル減少して673億ドルとなった。知的財産権使用料が8億ドル減少、旅行サービス輸入も2億ドル減少した。運輸サービス輸入は3億ドル増加した。

輸出は1.2%減の2679億ドル。財輸出は1.8%減の1760億ドルで、資本財(主に民間航空機)の19億ドル減が重しとなった。消費財輸出は医薬品の減少により14億ドル減少した。

工業用資材および原材料の輸出は14億ドル減少。原油は13億ドル、その他の石油製品は5億ドル減少した。

サービス輸出は、保守・修理サービスが2億ドル減少したことを反映して1億ドル減の919億ドルとなった。政府財・サービスは1億ドル増加、運輸サービスは1億ドルの小幅増加となった。

財の貿易赤字は14.9%増の1090億ドルとなり、これも22年3月以来の高水準となった。インフレ調整後では、財貿易赤字は13.1%増の1001億ドルだった。

中国との財の貿易赤字は269億ドルに拡大した。8月は247億ドルだった。

貿易は第3・四半期の国内総生産を0.56%ポイント押し下げた。3四半期連続で経済成長の足かせとなっている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

東南アジアの洪水、死者241人に 救助・復旧活動急

ビジネス

独失業者数、11月は前月比1000人増 予想下回る

ビジネス

ユーロ圏の消費者インフレ期待、総じて安定 ECB調

ビジネス

アングル:日銀利上げ、織り込み進めば株価影響は限定
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 7
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 8
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中