ニュース速報
ビジネス

中国11月CPI、過去3年で最大の落ち込み PPI下落幅拡大

2023年12月09日(土)17時04分

中国国家統計局が9日発表した11月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)が過去3年で最も落ち込み、生産者物価指数(PPI)も下落幅が拡大した。写真は9月26日、上海市で撮影(2023年 ロイター/Aly Song)

[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した11月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)が過去3年で最も落ち込み、生産者物価指数(PPI)も下落幅が拡大した。内需の弱さが景気回復に影を落とす中、デフレ圧力の高まりを示した。

CPIは前年比、前月比ともに0.5%下落。ロイターがまとめた市場予想(前年比、前月比ともに0.1%下落)よりも大幅なマイナスとなった。前年比の下落率は2020年11月以来の大きさ。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は今回のデータについて、政策当局者の懸念材料になると指摘。世界的なエネルギー価格の下落、冬の旅行ブーム後退、慢性的な供給過剰を要因に挙げた。

「デベロッパーや地方政府がレバレッジ縮小を続け、世界的な景気減速も見込まれることから2024年も下押し圧力は高まるだろう」と述べた。

食品と燃料を除いた前年比のコアインフレ率は0.6%で10月と同じだった。

ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミスト、ブルース・パン氏は、コアCPIの弱さは持続的な需要低迷に対する警告で、中国がより持続可能でバランスの取れた成長を目指すなら、これに対処することが優先すべき政策になると述べた。

PPIは前年比3.0%下落し、14カ月連続のマイナスとなった。下落率は8月以来の大きさ。市場予想は2.8%下落、10月は2.6%下落だった。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

欧州、ウクライナ和平巡る協議継続 15日にベルリン

ビジネス

ECB、成長見通し引き上げの可能性 貿易摩擦に耐性

ワールド

英独仏首脳がトランプ氏と電話会談、ウクライナ和平案

ビジネス

カナダ中銀、金利据え置き 「経済は米関税にも耐性示
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲う「最強クラス」サイクロン、被害の実態とは?
  • 4
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中