ニュース速報

ビジネス

英スナク政権、総選挙前の減税余地ほとんどない OECDが指摘

2023年06月07日(水)20時21分

経済協力開発機構(OECD)は7日、スナク英首相は2024年に予定されている総選挙に向けて減税を行う余地はほとんどないとの見方を示した。ロンドンの食料品店で昨年6月撮影。(2023年 ロイター/Kevin Coombs)

[ロンドン 7日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は7日、スナク英首相は2024年に予定されている総選挙に向けて減税を行う余地はほとんどないとの見方を示した。

OECDは最新の世界経済見通しを公表し、英経済の成長予測を引き上げた。しかし成長率は緩やかな一方で、今年のインフレ率は先進国で最も高く、家計を圧迫し借り入れコストを上昇させると予想した。

「金融政策は引き締まった状態が続き、生産をますます圧迫しインフレ率を押し下げる。23─24年の財政支出は抑制的になる」と指摘。「財政に余裕はほとんどなく、政府は金利の変動に大きく左右されることになる」との見解を示した。

23年の総合インフレ率は平均6.9%と、ドイツの6.3%、フランスの6.1%、OECD全体の6.6%を上回るとしている。今年のインフレ率を半分にするというスナク政権の公約の実現が困難になる可能性がある。

ただ24年には2.8%へ減速し、フランスやドイツを下回るとした。

ハント財務相は声明で、OECDが英経済成長率予想を23年は0.3%、24年は1.0%へそれぞれ引き上げたことに言及し、託児費用の無償化拡大や法人減税などが評価されたと述べた。

「インフレ率はまだ高すぎるため、今年中に半分にする計画を堅持する必要がある。それが経済を成長させ生活費への圧力を緩和する唯一の長期的な方法だ」と訴えた。

OECDは就労可能人口を増やす計画を政府は速やかに実行すべきで、「投資と貿易に確実性を与えることが潜在成長能力を高める鍵だ」と分析した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ首相、カンボジアとの戦闘継続を表明

ワールド

ベラルーシ、平和賞受賞者や邦人ら123人釈放 米が

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス

ワールド

アングル:ファッション業界に巣食う中国犯罪組織が抗
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中